so that構文はネイティブが会話で頻繁に使う表現です。そのため、これを知らないと会話で彼らの言ってることを理解するのがちょっと厳しくなるかもしれません。
とは言っても、so that構文にはさまざまな用法があるため、高校時代にこれを勉強して挫折してしまった人もいるのではないでしょうか?
そこで今回はso that構文を完全に理解するための記事を作りました。ぜひこのページをじっくりと読み、英会話でも使えるように自分のものとしていきましょう。
また、この文法を使えば長い文章を作れるようになるため、フォーマルなスピーチやライティングのときにも便利な表現です。
私も同時通訳者として働いたころは、この構文をネイティブから多く聞きましたし、自分でも多用していました。そのため、現在ではこの構文は自分にとって使いやすい構文の1つです。
※ちなみに、so that構文を学ぶために必要な前提知識として以下の文法を理解しておきましょう。
どのような場面でso that構文を使うのか
まず、so that構文をどういったときに使うかを確認しましょう。正解は、以下のような日本語を英語で表現したい場合は、この構文を使うときです。
so that構文を使うときの発想
・とても~なので…だ
・~するために…だ
・~の結果…だ
私たちが英語を話すときは、文章が長く複雑になればなるほど英語を英語で考えることは困難になります。そのため、英語を口から発する前に表現したい内容を日本語で頭の中に思い浮かべます。これは、私を含むプロの同時通訳者でも同じです。
「日本語を考えると流暢性が落ちるのではないか」と思うかもしれませんが、全く問題ありません。日本語を頭に思い浮かべ、それを瞬間的に英語に直して口から発すればよいからです。私たちプロは(日本育ちの場合は)、このようにして英語を話しています。詳しくは下記ページをご覧ください。
>> 日本語の文章を元に、スラスラと正確な英語に訳していく方法
それでは次からso that構文を詳しく解説していきます。
so that構文の3つの用法
まずはso that構文が持つ3つの用法について見ていきましょう。
程度を表すso that構文
これは「とても〜なので…だ」という程度を表す用法です。語順は以下のとおりです。
so+形容詞 または 副詞+that+主語+動詞
まずはこの構文を使った例文を見てみましょう。
とても寒かったので、彼らは遊ぶのをやめた。
It was so cold that children stopped playing.
このように、soの後ろには形容詞または副詞が置かれ、thatの後ろには主語+動詞という文章が置かれます。「とても~なので」の「~」の部分は、形容詞または副詞の部分で表し、「…だ」はthat以降の主語+動詞で表現をしていきます。
ちなみに、日本人でたまに「とても」の部分を直訳してveryと言ってしまう人がいますが誤りなので注意してください。
(✕)It was very cold that children stopped playing.
それでは、以下の例文を見ながら確認してみましょう。
・soのあとに形容詞
It was so cold that children stopped playing.
soは「とても」を表します。that以降では「とても寒かったのでどうしたか」を表していきます。ここでは、「彼らは遊ぶのをやめた」にあたるchildren stopped playingとなっています。
次はsoのあとに副詞が入る例文も見ておきましょう。
・soのあとに副詞
彼はとても速く話したので、誰も理解できなかった。
He spoke so fast that nobody could understand.
目的を表すso that構文
so that構文は「~するように / 〜するために」のように目的を表すこともできます。さっきの程度を表すso 〜 thatと違い、目的用法の場合はsoとthatの間に何も単語を入れることができません。
語順を確認しましょう。
so that+主語+助動詞+動詞の原形
目的のso that構文では、that以降に助動詞を必ず入れます。助動詞はwillやcanが使われることが多く、willだと「〜するように / 〜するために」となり、canだと「〜できるように」という可能の概念を入れることができます。mayを入れるときもありますが、これを使うと堅く聞こえます。
6時までに出来上がるように、彼はこれをオーブンに入れておきます。
He is putting this in the oven so that it will be ready by 6.
彼は英語を完璧にするために、ここに3ヶ月間滞在している。
He is staying here for 3 months so that he can perfect his English.
that節以降は助動詞を入れることが原則ですが、ネイティブはときどき通常の現在形を使うことがあります。
私は渋滞に巻き込まれないように早めに出発するつもりだ。
I am going to make an early start so that I don’t / won’t get stuck in the traffic.
目的を表すso that構文の過去形
過去形で使うときは助動詞をwouldやcouldとします。他にもshouldやmightなども使われますが、これはかなり堅い表現なので会話ではあまり使われません。
He talked to the shy girl so that she would not feel left out.
結果を表すso that構文
so that構文は結果を表すことができ、「〜してその結果…だ」と訳します。語順を見てみましょう
so that+主語+動詞
目的用法と違い、結果用法の場合はthat以降は助動詞を使わず普通の動詞を用います。また、ネイティブはこの用法を使うときにsoの前にカンマ(,)を入れることが多いです。
She studied hard, so that she passed the exam.
so that構文のthatは省略できる
ネイティブは日常会話でthatをよく省略します。これは上で説明した3つの用法全てに適用されます。例文をそれぞれ見ていきましょう。
とても寒かったので、彼らは遊ぶのをやめた。
It was so cold (that) children stopped playing.
彼はとても速く話したので、誰も理解できなかった。
He spoke so fast (that) nobody could understand.
6時までに出来上がるように、彼はこれをオーブンに入れておきます。
He is putting this in the oven so (that) it will be ready by 6.
彼は英語を完璧にするために、ここに3ヶ月間滞在している。
He is staying here for 3 months so (that) she can perfect her English.
彼女は一生懸命勉強して、その試験に合格した。
She studied hard, so (that) she passed the exam.
また、会話ではthatをしばしば省略します。この構文は、so as toやin order toと書き換え可能です。
so that構文の言い換えパターン
so that構文はさまざまな文法に言い換えが可能です。これができると表現の幅がかなり広がりますので、一つずつ見ていきましょう。
程度を表すso that構文の言い換え
enough toとso〜as to
enough toはネイティブも会話ではよく使いますが、so〜as toは硬い表現なのであまり会話では使われません。そのため、私達が会話で使うときはenough toにとどめておきましょう。
また、so as toは副詞を用いることができない点にも注意してください。昔はso+副詞+as toもありましたが、最新の文法書ではこの用法は見られません。
例文で確認してみましょう。
・形容詞
彼はとても / 十分力持ちなのでその車を押すことができる。
He is strong enough to push the car.
= He is so strong as to push the car.
= He is so strong that he can push the car.
・副詞
彼女はとても / 十分に素早く手を動かしたので、皆を混乱させた。
She moved her hands quickly enough to make everyone confused.
= She moved her hands so quickly as to make everyone confused.
= She moved her hands so quickly that she made everyone confused.
too〜to
これは否定の意味を含んでおり、「とても〜なので…できない」という意味になります。そのため、so that構文を使うときもthat節以降は否定文に変えます。
This coffee is too hot to drink.
= This coffee is so hot that I cannot drink it.
enough toとso as to、too〜toをさらに深く勉強したい方はこちらのページを見てください。
such thatとsuch〜as to
これはso thatやso〜as toと似た形なのですが、suchとthatまたはsuchとtoの間に名詞が入るというのが大きな違いです。such〜as toはフォーマルな表現であり、会話ではあまり用いられませんん。
例文を見てみましょう。
It was such a loud noise that it woke the baby up.
= It was such a loud noise as to wake the baby up.
such thatの詳細は下記ページを見てください。
>> such that構文を英会話で使うために覚えるべき3つのこと
目的を表すso that構文の言い換え
目的を表すso that構文には多くの言い換えパターンがあります。順番に見ていきましょう。
to, in order to, so as to, in order that
toは目的を表すto不定詞と言わており、「〜するために」と訳されます。これをもう少し堅くした表現がin order toとso as toとなります。
また、in order thatも硬い表現となります。so that構文と同じくthat節以降に助動詞を取りますが、sholuldやmay、過去形ではmightを取ることが多いです。
They met on Sunday to go to the theme park.
= They met on Sunday in order to go to the theme park.
= They met on Sunday so as to go to the theme park.
= They met on Sunday in order that they should / might go to the theme park.
= They met on Sunday so that they would go to the theme park.
for fear (that), lest
この2つの表現はかなり古い表現であり、昔の本などで見られる表現です。ただ、アメリカ英語では書き言葉として使われることがありますので読んで理解できるようにはしておきましょう。この2つは「〜するといけないから / 〜しないように」と訳されます。
両方とも後ろに主語+動詞を取り、助動詞を入れる場合があります。助動詞はshouldが使われることが多いようです。
Take a bath at once lest you (should) get a cold.
= Take a bath at once for fear (that) you (should) get a cold.
=Take a bath at once so that you won’t get a cold.
言い換えパターンは一通りわかったけど、いざ英会話で使おうと思うと何を使えばよいか迷ってしまいます。
[/voice] [voice icon=”/wp-content/uploads/shashin.jpg” name=”同時通訳宮本” type=”r”]私であれば全部so that構文だけで済ましてしまいます。目的用法はin order to 、程度用法はenough toなどいちいち使い分けるのが面倒だからです。
[/voice]so that構文の倒置形(上級者向け)
程度を表すso that構文は倒置文を作ることが可能です。語順は以下の通りです。
so+形容詞+be動詞+動詞+that+主語+動詞
so+副詞+一般動詞の疑問文の語順+that+主語+動詞
なぜ倒置するのかというと、so+形容詞 / 副詞の部分を強調したいからです。例文で確認しましょう。
彼の失望さはかなりのものだったので、皆は彼を一人にしておいた。
So great was his disappointment that everyone left him alone.
= His disappointment was so great that everyone left him alone.
彼は英語の勉強をとても真剣にやってきたので、今や世界中の人たちと話すことができる。
So seriously has he studied English that he can now talk to people all over the world.
= He has studied English so seriously that he can now talk to people all over the world.
倒置の語順はやや複雑ですので、倒置の作り方は以下ページにまとめてあります。
まとめ
so that構文の3つの用法、そして言い換え表現を学んでいきました。ネイティブはこの構文を日常会話などで頻繁に使うため、私たち日本人も必ず使えるようになった方がよい文法です。
長い文章を作るときにもso that構文はとても重宝するので、初級レベルから抜け出したい方はぜひこの構文を使いこなせるように練習をしていきましょう。