多くの英語学習者が悩むことの一つに、なかなか英単語を覚えることができないことがあります。そのため、「英単語を簡単に覚えることができる暗記術」といった、小手先のテクニックに頼ったノウハウに飛びつきがちです。
ただ、残念ながら世の中に楽な英単語暗記法は存在しません。まずはこの事実を受け止めてください。
それでは、どのようにして英単語を覚えればよいでしょうか。ここでは、ネイティブとの会話やEメールなどのライティングで使えるようになるための、効果的な英単語の覚え方を解説していきます。
このノウハウは、私だけでなく通訳者や翻訳者などの多くのプロが実践している暗記法です。ただし、すぐに効果が出るものではなく、毎日地道な学習が必要です。
具体的な単語学習法に入る前に、まずは単語の種類を知っておきましょう。
アクティブボキャブラリーとパッシブボキャブラリー
単語には2種類あります。それは、アクティブボキャブラリーとパッシブボキャブラリーです。アクティブボキャブラリーとは、自分がスピーキングやライティングなどで使いこなすことができる単語を指します。一方、パッシブボキャブラリーとは、聞いたり読んだりするときに理解ができる単語です。
そのため、もしあなたが会話やEメールなどで使える単語力を増やしたいのでば、アクティブボキャブラリーの量を増やすことが重要になります。それでは、具体的なアクティブボキャブラリーの増やし方を下で解説します。
日本語の単語を見て瞬間的に英単語を言えるように練習する
単語を覚えるとき、ほとんどの人は英単語を見てそれに対する日本語が出てくるかをテストします。ただ、それはパッシブボキャブラリーを増やす暗記法です。これだけでは、会話で単語を自由自在に使いこなすことができません。
そうではなく、日本語を見て、それに対する英単語が言えるように練習することが大切です。ただ、このときに重要なのが瞬発力です。例えば、「客観的な」という日本語を見て、一生懸命思い出そうとしてやっと「objective」が出てくるようでは、実際の会話ではその単語を思いつくことができません。
「客観的な」を見たら、無意識に口から「objective」と出てくるまで仕上げなければいけません。この具体的な練習法は、「クイックレスポンスで単語力をつける」のページで紹介をしています。
単語単位ではなくフレーズで覚える
単語を覚えるときに、単語単体で覚える人がいます。ただ、これはあまりお勧めしません。単語には語法とコロケーションというものがあり、この2つを意識しながら単語を覚えなければ、実際の会話で正しく使いこなすことができないからです。
例えば、「敏感である」という単語に対して「sensitive」で覚えたとします。そして実際の会話で、「彼は物音に敏感である」と言いたいとしましょう。
この文章を英語で話すとき、He is sensitiveまでは話すことができますが、「物音に」の部分のつなげ方が分からないことがあります。このように、1単語だけで覚えてしまうと、スピーキングで応用ができません。ちなみに、英訳はHe is sensitive to sounds.となります。
上記の例は、sensitiveの語法です。語法とコロケーションに関しては、以下のページで詳しく解説をしています。
まとめ
このように、単語を覚えるときはアクティブボキャブラリーとパッシブボキャブラリーの違いを理解し、フレーズ単位で覚えることが重要となります。
私自身、英語を勉強し始めのころは、日本語を見て即座に英訳する練習のみを行っていました。そのおかげで、短期間でボキャブラリーが増え、TOEIC900点越えや英検1級取得はもちろんのこと、通訳ができるまでになりました。
この学習法は多くのプロが実践している内容なので、ぜひ実践してみてください。