TELMステップ4:精読と速読を練習する

TELM(Tai’s English Learning Method)の7ステップのうち、ここではステップ4の「精読と速読を練習する」をお話しします。

ステップ1で文法の基礎を固め、ステップ2と3で音読、暗記、応用をやってきました。ここまで来て、やっとリーディングの学習効果を最大限に発揮できる段階です。

リーディングでは文法をすべて理解しておく必要があります

ステップ1でもお話ししましたが、大学受験レベルの文法力が必須です。どんな複雑な文章でも理解できるようにするためです。

スピーキングやライティングは、知っている範囲の文法や単語を使えば何とかなります。ただ、リーディングやリスニングはそうはいきません。未知の文法に出会ったら、理解する手段がないからです。だから、事前に文法を仕上げておく必要があります。

あなたの和訳力をチェックしてみましょう

下の英文を訳してみてください。使われている単語はすべて中1レベルです。つまり、この文を理解するのに必要なのは文法力だけです。

I'd have done the same hadn't you told me so.

答えはこうです。

君がもし私にそう言ってくれなかったら、私は同じことをやっていただろう(実際はやっていない)

よくある誤訳は「私は同じことをやった、君は私にそう言わなかった」です。これは文法を無視した訳し方で、完全な誤訳です。

この文には、仮定法過去完了と仮定法の倒置という2つの高度な文法が使われています。'd havehadn't を見た瞬間に仮定法だと気づく必要がありますし、hadn't you toldif you hadn't told の倒置形だと理解しなければなりません。

「こんな文法、日常会話では使わない」と思いましたか。この例文は小学生が実際に話した英文です。学校の文法は日常会話で使わないと言っている人は、その文法が日常会話で使われていることに気づいていないだけかもしれません。

まずは精読、速読はその後です

最近はスラッシュリーディングという手法が流行っています。英語を頭から塊で理解する方法です。ただ、文法を理解していないとこれは意味がありません。

さきほどの例文にスラッシュを入れるとこうなります。

I'd have done the same / hadn't you told me so.

文法が分からなければ、これを頭から理解しようとしても意味不明な誤訳になります。

ですから最初は、頭から読もうとする必要はありません。速読も不要です。大学受験の頃にやっていたような、英文を一字一句完璧に理解する練習をしてください。一文に対して、ここまで深く掘ります。

  • 各単語の品詞は何か
  • 文型は何か
  • どの単語がどの単語を修飾しているか
  • 時制は何か
  • 使われている文法は何か

完璧に理解できる英文を一文ずつ増やしていくことで、どんな英文も細部まで理解できるようになります。

順番を逆にすると、分からない部分を雰囲気で飛ばす癖がつきます。速く読めているつもりで内容を取り違えることになる。速読は精読の上にしか乗りません。

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頭から読むための予測読み

精読をある程度やったら、次はネイティブと同じように頭から速く読む練習に進みます。これがリスニング力の基礎にもなります。

速読は精読とアプローチが違います。精読は何回も読み直して理解しますが、速読は一発勝負です。目線を文頭から右にずらしていって、ピリオドにたどり着いたときには一文を完全に理解していなければいけません。

日本語と語順が正反対の英語を、返り読みせずに頭から理解する。そのための方法論が予測読み(FCC)です。Forecast(予測)、Correction(修正)、Confirmation(確認)の3つで組み立てます。予測して読み進め、外れたら修正し、当たっていたら確認して先へ進む。TELMではこれを文法ごとにどう応用するかを体系化しています。

一つ例を出します。In the house から始まる英文があるとします。そのあとに続く文の構成を2つ考えてみてください。

答えはこうです。

  1. In the house, 主語+動詞
  2. In the house 動詞+主語

前置詞から始まる英文は、9割の確率でこのどちらかのパターンで来ます。2は倒置パターンですね。

このように、読みながら次にどんな構成が来るかを予測していきます。予測するのは文法の構造であって、単語ではありません。単語を当てにいくのは当てずっぽうですが、構造は文法知識から論理的に絞り込めます。

なんとなく速読や多読の練習をするのではなく、理論のもとに練習していけば、どんな英文も日本語並みにすらすら読めるようになります。

さらに詳しく

次のステップ

精読と速読ができるようになったら、その処理方法をそのまま音に応用します。

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