英語力を上げるためには、文法力と単語力を上げる必要があります。特に単語は、英語学習を続ける限り一生勉強していかなければなりません。
私が提唱している単語力の伸ばし方は、「語法、コロケーション、決まり文句、専門用語」の4つをバランスよく学習することです。ここでは、決まり文句に焦点をあてて話を進めていきます。
決まり文句の知識がなければ、日本人英語になる
決まり文句は、特に挨拶や簡単な会話、あいづち、そして旅行英語などで重要な役割を果たします。旅行英会話や簡単な英会話はの大半、決まり文句で構成されていると言っても過言ではありません。
そのため、たとえ高度な文法の運用能力があっても、決まり文句を知っていなければ文法的には正しくても、ネイティブにとって不自然な英語に聞こえてしまうことがあります。これがいわゆる、「日本人英語」というものです。
自然な英語を身につけるためには、決まり文句に加えて語法やコロケーション、そして専門用語などをバランスよく覚えていく必要があります。語法については「英語の語法の重要性」、コロケーションについては「英語コロケーションの重要性」の記事をご覧ください。
ここで一つ、決まり文句の例文を紹介します。例えばホテルなどで、鍵を部屋に置いたまま出てしまい、オートロックがかかったとしましょう。そのときフロントに、「締め出されてしまいました」と言いたいときは何と言えばよいでしょうか。ここでネイティブが良く使う表現は、I’m locked out.です。
もしこの表現を知らなければ、日本語の「締め出された」をそのまま直訳してしまい、I was forced to get out of the door.などと言ってしまう可能性があります。ただ、意味は何となく伝わりますが、これは不自然な英語です。
そこで、この「締め出された」を言い換えて、I’ve left the key in my room so I can’t get in.「部屋に鍵を忘れてしまって入れません」とすれば自然な英語になります。ただ、ネイティブは前述のI’m locked out.を使う人が多いので、ネイティブらしい英語を目指す人はこういった決まり文句を覚えていく必要があります。
決まり文句の暗記方法
決まり文句の覚え方として、一番確実なのはネイティブに直接聞き、「このシチュエーションではこの決まり文句を使う」と教えてもらうのがよいです。
しかし、日本国内ではなかなかそうすることが難しいでしょう。そのため、海外ドラマなどを見て自分で決まり文句を集めて暗記することをおススメします。このとき注目すべきポイントとして、どういった文脈で決まり文句が使われているかを理解することが大切です。
たとえば、「本当に?」という意味でIs that so?という表現が使われることがあります。辞書で調べると「本当に?」とだけ訳されている場合が多いですが、この表現は「相手の言っていることに対して本当かどうか疑わしいとき」に使われます。
このようなニュアンスを理解するためは、前後の文脈を知っておくことが大切です。こういったことが理由で、海外ドラマはとても勉強になります。
ちなみに、決まり文句はイギリスやアメリカなど、国や地域によって違います。それぞれの学習者の好みに合わせて習得していきましょう。
このように、決まり文句はネイティブらしい英語を話すために必要になります。そのため、文法と語法、コロケーション、専門用語と並行して決まり文句を覚え、英語力を徐々にアップさせていきましょう。