ここでは、過去完了形の用法を学習していきます。多くの人は、過去形や現在完了形、過去完了形の使い分けがうまくできません。この理由の1つに、過去完了形の用法を理解していないことがあります。そのため、まずは過去完了形を理屈で正しく理解する必要があります。
過去完了形は、「過去のある時点においての完了、結果、継続、経験を表す」ときに使われます。一方、現在完了形の場合は、「現在においての完了・結果・継続・経験」を表します。過去形と過去完了形は似ていますが、「ある事柄を比較して、より昔の出来事に対しては過去完了形を使う」と覚えておけばよいです。
過去完了形の作り方は、「had+過去分詞」です。過去分詞とは、基本的には動詞の後ろにedがついた形です。不規則に変化する動詞もありますので、それに関しては英和辞書で調べてください。
完了・結果の用法
「過去のある時点までの物事の完了、結果」を表すときに過去完了形が使われます。例文を見てみましょう。
The train had already left before he got to the station.(結果)
上記の例では、「彼が駅に着いた時点で、電車はすでに出発してしまっていた」という過去の結果を表します。
I felt good because I had finished my homework.(完了)
「宿題を終わらせた」ことは、過去において完了したことです。そのため、過去完了形が使われます。「気分がよかった」の時制が過去形なのは、「宿題を終わらせた」ことよりもあとに起きたことだからです。
経験の用法
これは、「過去のある時点までに経験をしたこと」を表すときに使われる用法です。以下の例文で確認しましょう。
She had been to Paris before she was fifteen.
「パリに行った」という出来事は、「15歳になる前」という過去の事柄よりもさらに前の経験なので、過去完了形を使います。
継続の用法
継続用法は、「過去のある時点までに継続してきた状態を表す」ときに使われます。
She had been a swimmer before she had a baby.
これは、「赤ちゃんが生まれるまで水泳選手であることを継続していた」という意味です。そのため、「水泳選手でした」の部分が過去完了形となります。
大過去
大過去とは、過去に起こったある時点よりさらに前の動作を表すときに使われます。例文を確認しましょう。
He went out after he had brushed his teeth.
「歯を磨いた」ことが、「外に出かける」よりも前の動作なので、これは大過去となります。ただ、日常会話においては、afterやbeforeが使われるときは過去完了形を使わず過去形で代用します。afterやbeforeは前後関係が明確なので、過去完了形を使わなくてもどちらが大過去かが判断できるからです。以下のようになります。
過去完了進行形
過去における動作の継続を表すときは、過去完了進行形を使います。前述の継続用法と違うところは、「状態の継続を表すときは過去完了形を使う」ということです。過去完了進行形の作り方は、「had+been+動詞の進行形」です。例文を見てみましょう。
He had been hiding in this house before the police found him.
過去完了形を問題なく使いこなすためには、できるだけ多くの例文を見て、暗記することです。そうすれば自分の英文ストックが増え、適切な文脈で過去完了形が使えるようになってきます。