英語の文法:同じ人物の比較、比較級構文 英語スピーキング

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ここでは、同じ人物の比較と、比較級構文について学習していきます。会話でもよく使われますので、理論を理解したら何度も音読をしましょう。

同じ人物の比較

比較級構文では、「違う人の比較」を行うことが基本です。以下の例文を見てみましょう。

彼はあなたと同じくらい背が高い。
He is as tall as you are.

ただ、中には「同じ人物」を比較するときがあります。ここでは、同じ人物の比較ではどのような形になるのかを見ていきます。比較する対象が同じ人物の場合は、主に以下のような形が使われます。

・今と昔の自分を比較する

彼は昔より静かになった。
He has become quieter than (he was) before.  

彼は5年前より静かになった。
He has become quieter than (he was) five years ago.

彼は子供の時よりも静かになった。
He has become quieter than (he was) when he was a kid.

これらの形はあまり見かけないかと思います。そのため、日本人でも正確に上記のような英文を作れる人はあまりいません。
原因として、「thanがどういった働きをするのかが分かっていない」という人が多いのが1つの理由です。実は、thanは接続詞の一種です(厳密には疑似関係代名詞と呼ばれます)。そのため、thanの後には文章が来ます。上記の例を元にもう一度文章を見てみましょう。

He has become quieter than he was quiet before.
He has become quieter than he was quiet when he was a kid.

このように、thanの後には文章が来るのが本来の形です。しかし、英語は同じ文章を嫌う言語なので、重複している箇所は省かれるのが普通です。そのため、以下のような文章になります。

He has become quieter than before.

He has become quieter than when he was a kid.

例外的に、比較級に関してはthan以下の主語と動詞を残す形もよく使われます。

He has become quieter than he was before.

He has become quieter than he was when he was a kid.

than+接続詞の比較級ですが、この接続詞はwhenの他にもbefore, ifなどを持ってくることが可能です。以下の例文で確認してみましょう。

彼女は就職する前よりも自信を持つようになった。
She has become more confident than before she got a job with a firm..

もし十分な職歴があれば、ない場合よりも仕事を見つけるのが簡単になるでしょう。
If you have enough work experience, you will be able to find a job more easily than if you don’t (have enough work experience).

上記のような例文を使いこなせるようになれば、比較級を使って表現できる幅がかなり広くなるでしょう。

・ある人物の性質を比較する

彼は相変わらず静かだ。
He is as quiet as ever.

彼は相変わらず一生懸命勉強する。
He studies as hard as ever.

これは as ~ as everという決まり文句ですので、この間に形容詞か副詞を入れるだけで大丈夫です。

彼はいつもより静かだ。
He is quieter than usual.

これはthan usual で、「普段より~だ」という決まり文句です。than usual をかたまりとして覚えてしまいましょう。

・その他

彼は実年齢より若く見える。
He looks younger than he actually is.

彼は見かけより若い。
He is younger than he looks.

これらは、「実年齢(実際)より~に見える」を「than+主語+actually+be動詞」というかたまりとして覚えます。「見かけより~だ」は、「than+主語+look」で覚えてしまいましょう。

比較級の構文

・the+比較級+主語+動詞, the+比較級+主語+動詞 (~すればするほど……)
これは会話でもよく使われる構文ですので、何度も音読をして使いこなせるようにしましょう。ポイントは比較級を主語の前に持ってきて、その前にtheを付ける感覚に慣れることです。元の文章とthe+比較級の形を交互に音読し、その感覚を掴むことが大切です。

年を取ればとるほど、より賢くなる。
The older we become, the more intelligent we will be.

元の文章は「we become older」と、「we will be more intelligent」です。これらの文章をthe+比較級の形と交互に何度も音読をしましょう。

年を取ればとるほど、より多くの知識を得ることが出来る。
The older we get, the more knowledge we can get.

これは後半の文章が、「the+比較級+名詞+主語」の形です。この名詞が意外と厄介で、初めのうちは「the more we can get knowledge」と言ってしまいがちです。

ネイティブには通じますが、文法的には正しくありません。そのため、なるべく正しい形で文章を作るように心がけてください。コツは先ほどと同じく、元の文章とthe+比較級の文章を交互に音読することです。そうすれば、「the+比較級+名詞」を前に持ってくるのが感覚的に分かってきます。

・all the+比較級+for (= because+主語+動詞) 「~なのでいっそう……」
この文章は日本語と語順が逆になります。さらに、「all the」の部分が日本語からは発想しにくいのでスピーキングでは使いにくいです。これを回避するために、「That’s why+主語+動詞 ~ 比較級」とすると作りやすくなります。以下の例で確認しましょう。

私は彼には欠点があるのでよりいっそう彼のことが好きだ。
I like him all the better for his faults.
= I like him all the better because he has faults.
= He has faults. That’s why I like him better.

・none the+比較級+for (= because+主語+動詞) 「~だからといって……なわけではない」
これは上記の表現よりさらに使いにくい表現です。そこで、普通の比較級を使って表現していきます。以下の例文で確認しましょう。

彼は事故に遭った以前と変わらない様子だ。
He is none the worse for the accident.
= He is none the worse because he had the accident.
= He is as good as before he had an accident.

3文目の表現は、前に学習した「than+接続詞」のthanをasに変えた形です。

・比較級+and+比較級 「ますます~」

彼はだんだんと具合がよくなってきた。
He’s getting better and better.

・much (= still) more (less)  「なおさら~だ(でない)」
これも使いにくい比較級表現のうちの1つです。much moreは肯定文に使われ、much lessは否定文に使われます。しかし、実際は反対に使ってしまうこともあります。

こういったことを避けるために、to say nothing ofかnot to mentionを使うとよいでしょう。これらの表現は、肯定文や否定文のどちらでも使えるからです。しかし、not to mentionは後ろに文章を持ってくることもできるので、こちらの方が応用範囲は広いです。

彼はバイクに乗ることができる、自転車はなおさらだ。
He can ride a motorbike, much (=still) & more a bicyble.
= He can ride a motorbike, to say nothing of a bicycle.
= He can ride a motorbike, not to mention a bicycle.
= He can ride a motorbike, not to mention (that) he can ride a bicycle.

彼は自転車に乗ることができない、ましてバイクはなおさらだ。
He can’t ride a bicycle, much (=still) less a motorbike.
= He can’t ride a bicycle, to say nothing of a motorbike.
= He can’t ride a bicycle, not to mention a motorbike.
= He can’t ride a bicycle, not to mention (that) he can’t ride a motorbike.

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