ここでは、仮定法の基礎を学習していきます。仮定法は英文法の中でも日本人にとっては使いにくい文法と言われています。何度も音読をして、口からスラスラと出せるようになるまで練習しましょう。
仮定法とは
事実に反する事柄や、現在もしくは未来に起こる可能性が低い事柄を表す場合に使われる文法を仮定法と言います。仮定法に使われる接続詞はifを使い、「もし~ならば」という訳になります。例文を見てみましょう。
If I had enough time, I could go to see her.
この文章では、「私は(実際には)彼女に会いに行けない」というのが事実です。しかし、「(仮にも)時間があれば彼女に会いに行けるのになあ」という仮定の話をしています。このようなニュアンスのときに、仮定法が使われます。
仮定法は、上記の例文のようにif節(従属節)と主節で成り立っているのが基本です。If節の「もし~ならば」のという箇所を条件節と言い、それに対する結果を述べる主節の部分を帰結節と言います。
仮定法過去
では、もう一度上の文章を見てみましょう。
If I had enough time, I could go to see her.
よく見ると、日本文では現在形であるのにもかかわらず、英語では時制が過去になっています。実は仮定法を使う場合は時制が特殊で、現在のことについて述べるときは時制を過去形にします。他の例文を見てみましょう。
If I had more money, I would buy this bag.
帰結節では、必ず助動詞のwouldかcouldが使われます。wouldは意思の概念があるとき、couldは可能の概念があるときに使われます。
be動詞の変化
条件節でbe動詞が使われる場合、基本的には全てwereで統一します。
もし私が鳥なら、あなたの元へ飛んで行けるのに。
If I were a bird, I could fly to you.
会話表現では、wasもよく使われます。
現在もしくは未来に起こる可能性が低い事柄を述べる
この場合でも、仮定法過去を使います。例文で確認しましょう。
If you found a treasure in your room, what would you do?
このように、話者は頭の中でほぼあり得ないと思いながら上記のことを話しているので、仮定法を使います。
もしここで普通の条件節を使うと、以下のようになります。
この場合、「宝を見つける可能性がある」と話し手は思っています。
仮定法過去完了
もし仮定の話が過去の場合、英語の時制は過去完了形を使います。例文をみてみましょう。
If I had had enough time, I could have met her.
もしもっとお金があったなら、バッグを買えたのだが。
If I had had more money, I could have bought the bag.
もし私が病気でなかったら、学校へ行けたのに。
I had not been sick, I could have gone to school.
上記のように、条件節内では過去完了形、帰結節内ではcould (would)+have+過去分詞になります。
仮定法過去と過去完了形の混合
条件節の時制が過去完了で、帰結節の時制が過去形というパターンを見ていきます。例文を見てください。
If I had had enough time, I could meet you now.
これは、「(あの時)時間が無かったので、その結果今あなたに会いに行けない」ことが事実です。続いて、条件節の時制が過去形で、帰結節の時制が過去完了形になるパターンを見てましょう。
If I knew the matter, I would have told you before.
「私はそのことを過去から現在においていまだ知らない」ということが事実です。
仮定法の基本パターンは以上です。仮定法を使いこなすには、いかに時制を制するかにかかっています。わずかでも時制を間違えると意味が大きく変わってしまいますので、仮定法を使う場合はくれぐれも時制に気をつけてください。
仮定法を使っている例文をたくさん見て、仮定法を作るセンスを徐々に磨いていってください。