日本語特有の表現を前もって英訳できるようにしておく

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大人になってから英語を学習し始めた日本人が英語を話す際は、どうしても母国語の干渉を受けます。そのため、多くの場合は英語よりも日本語の文章が先に頭に思い浮かぶということがあります。

使い慣れた英語表現に関しては、日本語が思いつく前にそれを発することができます。つまり、「英語を英語で考えている」状態です。しかし、私を含め母国語を身につけたあとに英語学習を始めた人は、「思いついた日本語をいかに速く正確に英語に直して、口から発することができるか」がスピーキングの流暢性を決めます。

目次

日本語の慣用表現を英訳できるようにすれば、英会話が楽になる

日本語には様々な慣用表現があり、それらの多くは直訳することがほぼ不可能です。大人の日本人が英語を流暢に話せない理由の1つには、こういった慣用句を訳せないということがあります。たとえば以下の例文を英訳できるか試してみてください。

昨日パーティーで羽目をはずした。
それは無いものねだりだよ。
彼は墓穴を掘ってしまったな。
彼はイクメン男子だ。
(ビジネスの場で何かを頼まれて)それは少々難しいですね。
(何かを頼むときに)そこを何とか。
彼が突然名古屋支店へ異動となったのは晴天の霹靂だった。

これらはどれも日本語特有の慣用表現であり、直訳することができません。たとえば、「墓穴を掘る」を「dig a hole of the grave」と言ってもネイティブには通じません。以下に私の英訳例を載せます(この訳が絶対ではありません)。

I made merry at the party yesterday.
You’re asking for the moon! (= asking for too much)
Looks like he’s asked for trouble.
He’s a father actively participating in childcare.
I’m afraid it is impossible to do so.
I know it’s difficult, but I still have to ask for this.
His sudden transfer to Nagoya branch was out of the blue.

もし慣用表現を言いたい場合、私は前もって上の例のように英訳するように決めています。「ないものねだり」なら「ask for the moon」を使うなどと決めているのです。このようにすれば、日本語が思いついた際にすぐにそれに対応する英訳を思いつくことができます。

前にも述べたように、母国語が出来上がってしまった日本人は、言葉を発する前は必ず母国語の干渉を受けます。そのため、英語を発する際は以下のようなプロセスをたどります。

(話したいことの)イメージ → 日本語の文章が思い浮かぶ → 英語に翻訳しながら発する

よほど言いたい英語表現を使い慣れていない限り、「イメージ → 英語で発する」といった、いわゆる「英語を英語で考える」ことはできません。そのため、日本人が英語を効率よく話すためには、日本語を最大限に活用すべきなのです。「ないものねだり」→ 「ask for the moon」といった日本語からのアプローチが効果的なのです。

このプロセスを意識して、今後も新しい表現を覚えてください。徐々に英語が流暢に話せるようになっていると実感できるはずです。

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