ここでは、否定の疑問文、選択疑問文、そして付加疑問文について解説をします。否定、付加疑問文に対する応答の仕方は、日本人が間違いやすい文法のうちの1つです。そのため、理屈をしっかりと理解し、スピーキングで瞬時に適切な言い方を言えるように前もって練習しておくことが大切です。
選択疑問文
選択疑問文とは、「AとB、どちらがよい?」というような質問で使われる表現を指します。作り方は、普通の疑問文を作りその後にコンマを打って「A or B?」と言います。例文で確認しましょう。
Which one do you prefer, classic or rock? I prefer classic.
スピーキングの際は、最初の選択肢であるclassicを言うときにイントネーションを上げ、そしてrockと言うときに下げます。preferは「~の方を(より)好む」という意味です。語法が特殊ですので、下記の例文で確認してください。
I prefer rice to bread.
このように、語法はprefer A to B、「BよりAのほうが好き」となります。
上の選択疑問文の例文は目的語である名詞(classicとrock)の選択でしたが、下記のような「動詞+目的語」の選択もあります。
Do you want to go to a movie theater, or play pool?
否定の疑問文
疑問文を否定語句のnotを入れて表すことを否定の疑問文と言います。こうすることで、確認の意味や驚き、そして苛立ちの気持ちを表すことができます。作り方は、be動詞もしくは助動詞の否定の短縮形を使って通常の疑問文と同じ語順で作ります。以下で確認しましょう。
Aren’t you a soccer player? (確認)
彼は昨日の試験に受からなかったの!?
Didn’t he pass the exam yesterday!? (驚き)
音楽のボリュームを下げてもらえないかな!?
Can’t you turn down the music!? (苛立ち)(語気を荒げて)
否定の疑問文に対する応答の仕方は、後ほど解説します。
付加疑問文
付加疑問文とは、何かを相手に確認したい時に使う表現です。もし肯定文で始めたときの作り方は、そのあとに「be動詞または助動詞の否定の短縮形+主語?」となります。否定文で始めたときは、そのあとに「be動詞または助動詞+主語?」となります。下記の例文を見てみましょう。
He is a student, isn’t he? (肯定文で始めた場合)
彼女は先生ではないですよね?
She is not a teacher, is she? (否定文で始めた場合)
彼はピアノを習ってますよね?
He learns piano, doesn’t he?
彼女はそこに行かなかったですよね?
She didn’t go there, did she?
山田君は泳げないですよね?
Yamada can’t swim, can he?
Let’sで始まる文に関しては、最後にshall we?とつけます。
Let’s go on a picnic, shall we?
go on a picnicで、「ピクニックに行く」という1つのかたまりです。
最後の部分(be動詞または助動詞(の否定の短縮形)+主語?)のイントネーションを下げると、ほぼ間違いないと確信しているニュアンスになります。反対に、イントネーションを上げるとあまり確信がないニュアンスになります。
否定の疑問文、付加疑問文に対する答え方
これは、日本人学習者が非常に間違えやすい箇所の一つです。これらの疑問文に対する応答をするときは、少し発想を変えなければいけません。例を見てみましょう。
She can play the piano, can’t she? Yes, she can. / No, she can not (can’t).
これは問題ないと思います。次の文はいかがでしょう?
She can’t play the piano, can she? No, she can’t. / Yes, she can.
彼は昨日の試験に受からなかったの!? はい、受かりませんでした。 / いいえ、受かりました。
Didn’t he pass the exam yesterday!? No, he didn’t. / Yes, he did.
いかがでしょうか。日本語と英語の発想が全く逆であるということがお分かりいただけたかと思います。これらを間違えて、「Yes, she can’t」などとは言いません。ネイティブは、yesなのかnoなのか分からなくなってしまいます。
英語の場合、「彼女がピアノを弾けない」、「彼は試験に受からなかった」という事実が正しいのであればno, she can’tや、No, he didn’tと言います。この答え方に慣れていないと、日本人は上のように「Yes, she can’t」などと言ってしまいがちです。英語の場合、事実がnoであれば「No, she can’t」と答えます。
否定、付加疑問文の答え方は、スムーズに返答できるまでには慣れが必要です。1人2役で何度も質問と返答の練習をして、徐々に早く言えるようにしていきましょう。