英語の文法:難しい比較慣用表現 英語スピーキング

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ここでは代表的な比較級の慣用表現を学習します。どの表現も硬い表現で、文法的にもやや難解です。そのため、スピーキングでは非常に使いづらいです。

このようなことを踏まえ、日本人にとって発想しやすい英語表現を解説していきます。私自身もよく使っており、大変便利な表現であると思っています。

no more A than B, = not A any more than B 「Bでないのと同様にAでない」

これは、多くの学習者がつまずく表現のうちの一つです。英文では、Bが肯定の意味に捉えられがちです。しかし、A とBはどちらとも否定の意味になりますので注意しましょう。以下の例文で確認をしましょう。

馬が魚でないのと同様に、クジラも魚ではない。
A whale is no more a fish than a horse is.
=A whale is not a fish any more than a horse is.
英語では、「than a horse is」と肯定文になっていますが、実際の訳は否定となります。「馬が魚でない」という具合です。また、日本語の語順と英語の語順が逆になっています。

以上の理由から、この表現はとても使いにくいのです。スピーキングで使いこなすには相当な練習が必要でしょう。

代わりに使う表現ですが、and ~ as wellを使うと簡単に上記の文章を作ることができます。

A horse is not a fish, and a whale is not a fish as well.
この表現を使えば、日本語の語順通りに訳せます。また、比較級を使う必要がないのでとても簡単です。as wellの部分をeither としてもよいです。

慣れないうちはas well ではなく、tooを使ってしまいがちです。ただ、「私も~でない」のような否定文の場合は、tooではなくeitherを使う必要があります。

このような間違いを避けるため、肯定文と否定文のどちらにも使えるas wellのほうが使いやすいです。

no less A than B 「Bと同様にAである」

この場合は、上記の表現と逆で意味が肯定になります。

馬が哺乳類であるのと同様に、クジラも哺乳類である。
A whale is no less a mammal than a horse is.
この表現も前の例と同じで、語順が逆になります。さらに比較級を使うので、非常に使いづらいです。そのため、ここでもand~ as wellを使います。

A whale is a mammal, and a horse is a mammal as well.
このように、なるべく日本語の語順に合わせて簡単な表現を使っていくのがポイントです。

not more ~ than ・・・ 「・・・よりも~でない」

no more A than B と似た表現ですが、この構文は単なる比較構文です。つまり、普通の比較構文であるmore~than・・・ 「・・・よりも~だ」を否定した文章です。以下の例文で確認してみましょう。

この話はあの話よりも面白くはない。
This story is not more interesting than that one.
この比較構文にnotがつく場合、「どちらとも面白くはないが」という意味を暗に含みます。この表現に代わる、より簡単な表現方法はありません。スピーキングでもそれほど使いづらくはないので、何度も音読してスラスラと英文を作れるようにしましょう。

not less ~ than ・・・ 「・・・にまさるとも劣らず~だ」

この表現はスピーキングにおいてはやや使いづらいです。直訳すると、「・・・よりかは~でないというわけではない」となり、非常に理解しにくいです。簡単に言ってしまえば、「・・・は同じくらい~だ」というas as構文と同じ意味です。以下の例文で確認しましょう。

この話はあの話にまさるとも劣らず面白い。
This story is not less interesting than that one.
このように、「どちらの話も同じくらい面白い」という意味になります。そのため、以下の表現を使えばより簡単に表現できます。

This story is as interesting as that one.
上記の構文を使えば簡単に表現することができます。

この話はあの話にまさるとも劣らず面白い。
This story is not less interesting than that one.
つまり、どちらの話も面白いという意味になります。

no more than A, only A 「たったA」

これも、上記の「no more A than B」の構文とよく似た表現です。ただ、上記の構文と違ってこれらの表現の後ろには名詞がきます。例文で確認しましょう。

彼はたった5000円しか持っていない。
He has no more than 5000 yen.
= He has only 5000 yen.

この表現は、代わりにonlyを使えば簡単に表現ができます。私も、「no more than」はスピーキングではあまり使いません。

no less than A, as much as A  「Aもの」

これは上記のno more than と逆の表現です。「no less than」は「no less A than B」の構文ととてもよく似ています。
そのため、スピーキングでは「as much as」のほうが混乱もせず、使いやすいでしょう。

彼は5000円も持っている。
He has no less than 5000 yen.
= He has as much as 5000 yen.

not more than A, at most A 「せいぜいA」

これも、上の「not more~than・・・」と似たような構文です。 混乱を避けるため、at mostを使いましょう。

彼はせいぜい5000円しか持っていない。
He has not more than 5000 yen.
= He has at most 5000 yen.

not less than A, at least A 「少なくともA」

上記の「not less~than・・・」と似たような形です。言い間違えを避けるため、at leastを使うとよいです。

彼は少なくとも5000円持っている。
He has not less than 5000 yen.
= He has at least 5000 yen.

以上、4つの似た表現(no more than, no less than, not more than, not less than)を学習しました。この4つは大変似ているので、スピーキングで的確に使いこなすのは困難です。たとえば、「たった~」と言いたい時に「no more than」か「not more than」を使うべきか迷うことが頻繁に起こります。こういったことを防ぐためにも、それぞれの表現の言い換え表現を使っていきましょう。

no+比較級+than、 as+形容詞、副詞+as 「~どころではない」

moreやless以外の比較級の前にnoをつけることで強い否定となり、上のような訳になります。

この動物は猫より大きいどころではない。
This animal is no bigger than a cat.
この例文は、「この動物は猫と同じくらい小さい」という意味となります。つまり、as as構文と同じです。そのため、以下の例文に言い換えれば簡単に表現することができます。

This animal is as small as a cat.

比較級の慣用表現は以上となります。もとの表現では、非常にややこしく使いづらかったかと思います。一語違うだけで意味が大きく変わってしまいますので、英訳するときは注意が必要です。そのため、私たち日本人は上記で解説した言い換え表現を使うのが効果的です。なるべく文法を考える負荷を減らすことで、流暢性を保つことができます。

もちろん、最終的には本来の表現を使いこなせるのが理想です。ライティングでは文法を考える時間が十分ありますので、是非使いこなせるようになってください。

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