ここでは、「~の」という意味のofとアポストロフィー(’)sの使い分けについて解説していきます。これにはさまざまなルールがあるので、1つずつ解説していきます。
‘sをつける場合は、基本的には人間か動物です。一方、ofを使う場合は無生物の場合になります。例文を見てみましょう。
my sister’s boyfriend
その建物の建設
the construction of the building
・地名
Japan’s future
アメリカの希望
the United States’ hope
・天体、地域、施設
the earth’s mystery
世界の人口
the world’s population
・時間、距離、重量、価格
(a) five minutes’ drive
=(a) five-minute drive
1000円の価値
a thousand yen’s worth
・慣用表現
by a hair’s breadth
お願いだから
for pity’s sake
このように、’sは様々な場所で使うことができます。特に最近では、上記で説明したこと以外でも無生物に’sを使う傾向が増えてきているようです。「ofを使うとどこかフォーマルに聞こえてしまう」ということが理由のようです。
しかし、of以降の名詞に長い修飾がある場合は、’sを使うべきではありません。例えば、「先月1億円の損失を出した会社の将来」と言う場合は以下のようになります。
the future of the company that caused a serious loss of 100 million yen last month
また、’sを使うかofを使うかで意味が変わってしまうこともあります。
today’s magazine
現代の雑誌
magazines of today
このように、何でも’sを使って表現しようとすると意味が違ってしまう場合があります。それを避けるには、別の単語を使いましょう。例えば、「現代の」にはrecentやcurrentを用います。
名詞構文
名詞構文とは、文中の動詞や形容詞を名詞に変えることにより、「主語+述語」の部分を「所有格+名詞」の形で表現することを指します。これはフォーマルなスピーチや書き言葉でよく使われます。頻繁に見られる構文ですので、しっかりと学習してください。
まずは、「主語+述語」からなる節を名詞構文という名詞句に変える際の基本的なルールを覚えてください。
(主語+述語)節 |
名詞構文(句) |
主語(名詞) |
所有格 |
自動詞 / 他動詞 / 形容詞 |
名詞 |
目的語 |
上の名詞の語法である前置詞のあと |
副詞 |
形容詞 |
・自動詞と形容詞の名詞構文
まずは以下の例文を見てください。
Her father was relieved that his daughter (had) arrived.
名詞構文にする場合、arriveという動詞を名詞化します。それに対する意味上の主語であるhis daughterを、所有格に変えてhis daughter’sとします。そうすると、以下のようになります。
Her father was relieved at his daughter’s arrival.
次に、形容詞を名詞に変えた名詞構文を見てみましょう。
彼女は彼の無知を心配している。
= She is worried about his ignorance.(名詞構文)
父は娘が遅く到着したことに心配していた。
Her father was worried that his daughter (had) arrived late.
= her father was worried about his daughter’s late arrival.
・他動詞の名詞構文
他動詞を名詞構文に変える場合は以下のようになります。上記で説明したルールを元に、例文を見てみましょう。
The teacher educated the students strictly.
The teacher’s education of the students were strict.
また、「先生の生徒に対する厳しい教育」という名詞句を作ることも可能です。その場合、strictという名詞を限定用法として使い、educationの前に置きます。
例外的に、目的語が名詞構文内で所有格として使われることもあります。例文で確認してください。
They rescued the cat successfully.
= The cat’s rescue was successful.
= The rescue of the cat was successful.
独立所有格
独立所有格とは、所有格(‘s)のあとの名詞を省き、所有格が単独で使われることを指します。例文を見てみましょう。
My car is more expensive than Bob’s (car).
She is staying at Tom’s (house / home).
at the hairdresser
二重所有格
指示代名詞(this, thatなど)や不定代名詞(some, anyなど)と一緒に所有格の’sを使うことはできません。そのため、以下のように表す必要があります。
that car of Tom’s
トムの何台かの車
some cars of Tom’s
このように、指示代名詞や不定代名詞は通常通りの位置につけますが、所有格は名詞の後ろにつけてof+所有格とします。これを、二重所有格と言います。