ここでは、抽象名詞に冠詞がつくパターンと、名詞の種類を変化させる方法について学習していきます。名詞の変化とは、例えば抽象名詞から普通名詞に変化させる方法などを指します。細かい部分ですが、ライティングで正しい英文を書く上での必須の知識となります。
冠詞+抽象名詞、抽象名詞の複数形
・不定冠詞がsomeと同じ意味になる
抽象名詞は普通、冠詞をつけずに用います。しかし、不定冠詞をつけるとsomeと同じ意味になります。
He has a / some knowledge of German.
これは、at a distance「少し離れて」やfor a while「しばらくの間」などと同じ用法です。
・the+抽象名詞+of+(代)名詞
抽象名詞の後にof+(代)名詞がつく場合、抽象名詞の前にtheをつけます。
Only now have I known the difficulty of climbing Mt. Everest.
・行為や事柄、種類などを個別に表す場合
抽象名詞の前に冠詞を置いたり、抽象名詞を複数形にしたりすることで普通名詞のように扱うことができます。
She is a success as a violinist.
彼は彼女に色々と親切をした。
He has done her many kindnesses.
・抽象名詞を数える場合
この場合、抽象名詞の前にa piece of / an item ofをつけます。
I got a piece of advice from her.
・冠詞+形容詞+抽象名詞
抽象名詞に形容詞が付く場合、そのまえに冠詞をつけることが多いです。
He lived a good life.
しかし、冠詞をつけない抽象名詞もあります。
He is making steady progress in carrying out the task.
これを使いこなすには、英文を読む中で「形容詞+抽象名詞」を意識し、冠詞をつける名詞とつけない名詞を一つずつ覚えていくことが必要です。
文字・記号などの複数形
文字や記号などの複数形の作り方は、それらの後ろに(’s)をつけます。ただ、単に(s)をつけるだけの場合もあります。例文を見てみましょう。
His 3’s look like 8’s.
彼は沢山のCDを持っている。
He has a lot of CD’s / CDs.
1980年代に
in the 1980’s / 1980s.
敬称などの複数形
MrやMrsなどのフォーマルで使われる複数形を知っている人は少ないです。ここで暗記して、使いこなせるようになりましょう。
単数形 |
複数形 |
Mr. | Messrs. |
Mrs. | Mmes. |
Ms. | Mses, Ms’s |
Miss | Misses |
Dr. | Drs. |
現在では、あまり上記の複数形は使われません。例えば、Mr. SmithとMr. Bobがいる場合、Messrs. Smith and Bobとはあまり言いません。代わりに、Mr. Smith and Mr. Bobとするのが普通です。
漠然と多数を表す名詞
hundredやthousandなどを複数形にすることで、「何百もの、何千もの~」と表すことができます。「何万、何十万」と表す場合、tens of thousands ofやhundreds of thousands ofとします。
There were hundreds of / tens of thousands of / millions of people in the park.
「数十もの~」には、dozensを使います。dozenとすると「1ダース」という意味になります。
数詞+名詞が他の名詞を修飾する場合
数詞+名詞だけの場合、名詞は下記のように複数形となります。
He is fifteen years old.
一方、「彼は15歳の少年です」という場合は、yearを単数形にしません。
このように、数詞+名詞が他の名詞(boy)を修飾するときは、名詞(year)は単数形となります。また、上記のように数詞+名詞+形容詞をハイフンでつなぎます。他にもいくつかの例を見てましょう。
thirty-year-old- house
1000円札
a one-thousand-yen bill
2桁のインフレ
two-digit inflation