ここでは、強調したい補語や目的語、副詞を文頭に置く倒置について学習していきます。これらはおもに書き言葉で使われますので、理屈を理解して倒置の文章を理解できるようにしましょう。
補語を文頭に置いた強調
補語を使った文型は第2文型であり、S+V+Cの形となります。このCを強調するために、文頭に置くことができますその場合は倒置が起こり、C+V+Sという文体になります。例文を見てみましょう。
鐘の音がかすかに鳴った。
Faint grew the sound of the bell.
Faint grew the sound of the bell.
こういった倒置の文章を理解するためには、下記のように元の文章に戻してみると理解がしやすくなります。
The sound of the bell grew faint.
(元の文章)
(元の文章)
ちなみに、主語(S)が代名詞の場合は倒置は起こりません。
彼女は不運である。
Unlucky she is.
Unlucky she is.
so that構文とsuch that構文の倒置
so that構文やsuch that構文が使われる場合は、倒置が起こります。that節以降は通常の語順となります。例文で確認しましょう。
彼の行ったことはとても偉大であり、全市民がそれを知っている。
So great was his deed that all citizens know it.
= His deed was so great that all citizens know it.
So great was his deed that all citizens know it.
= His deed was so great that all citizens know it.
車はとても便利なため、ほとんどの人が所有している。
Such is the convenience of cars that most people have ones.
= The convenience of cars is such that most people have ones.
目的語を文頭に置いた強調
目的語が文頭に置かれる場合、倒置は起こりません。ただし、否定語が目的語になっている場合は倒置が起こります。例文を見てみましょう。
そんなことは私にはできない。
That I can’t do.
= I can’t do that.
That I can’t do.
= I can’t do that.
空には雲ひとつなかった。
Not a single cloud could I find in the sky.
副詞を文頭に置いた強調
運動の方向や場所などを表す副詞が文頭に置かれる場合、倒置が起こります。ただし、主語が人称代名詞(he, sheなど)の場合は普通の語順となります。
雨が降ってきた。
Down came the rain.
= The rain came down.
Down came the rain.
= The rain came down.
それが落ちてきた。
Down it came.