ここでは、英検1級および準1級のリスニングテストの出題形式と、問題に取り組む上でのキーポイント(メモをとる技術)について解説します。
リスニングテストの出題形式
英検1級および準1級のリスニングテストの出題形式は以下のとおりです。
1級
① 会話の内容一致選択(放送回数1回)10問
② 文の内容一致選択(放送回数1回)10問
③ Real-Life形式の内容一致選択(放送回数1回)5問
④ インタビューの内容一致選択(放送回数1回)2問
準1級
① 会話の内容一致選択(放送回数1回)12問
② 文の内容一致選択(放送回数1回)12問
③ Real-Life形式の内容一致選択(放送回数1回)5問
1級においては最後にインタビューの内容一致選択問題がありますが、そのほかについては1級も準1級も出題形式は同様です(問題数だけ異なります)。
まず、①会話の内容一致選択ですが、ここでは2人?3人の短い会話分とそれに関する質問文を聴き、最も適切な解答を印刷された選択肢から選びます(質問文は印刷されていません)。解答時間はそれぞれの問題につき10秒です。1級では、問題9および問題10は他の問題と比べて長文化する傾向があり、さらに問題10に関しては、3人での会話のことがほとんどです。
次に②文の内容一致選択ですが、それぞれのパッセージ(1級では5パッセージ、準1級では6パッセージ)につき2問ずつ出題されます。会話文ではなく、特定のテーマに関する文章です。それぞれパッセージを聴いたあとに質問文が流れ、それに対する最も適切な解答を印刷された選択肢から選びます(質問文は印刷されていません)。
解答時間は同じく10秒です。パッセージの長さは両方の級でほとんど同じですが、1級のパッセージのほうが若干長くなる傾向にあります。
次に③Real-Life形式の内容一致選択です。Real-Life形式では、実生活(Real-Life)でよく聴くことがある放送等がテーマになっています。ここの問題はSituation(その問題の状況)とQuestionが印刷されており、これらを事前に読む時間があります(10秒間)。また、この問題では効果音が流れます。
最後に、④インタビューの内容一致選択です。これは1級のみの出題で、準1級では出題されません。1つのインタビューに対して2問の問題(質問文は印刷されていません)が設定されており、それぞれ解答時間は10秒間です。インタビューですので会話形式となりますが、かなり長めの文章となっています。
メモをとる技術をつけましょう
英検1級および準1級のリスニングテストは、総じて高レベルの問題と言えます。さて、英検のリスニングの特徴として、英検1級および準1級のリスニングでは、TOEIC試験のリスニングセクションとは異なり、メモをとることが許されていることが挙げられます。
これは逆に言えば、メモを適切にとらないとなかなか解答が難しい問題があるということです。特に1級のインタビュー問題はかなりの長文であり、質問文も印刷されていませんので、どのようなことを聞かれるかもわかりません。TOEIC試験とは違って、メモをとる技術というのが得点に大きな影響をあたえることになるでしょう。
メモをとる技術ですが、これは自分なりのスタイル(メモのとり方)を身につけることが大切です。メモというのは自分が聴いた内容を復元するためのものですから、どのようなスタイルをとるにせよ、基本的には自分がわかるものであれば問題ありません。
メモをとるときに大切なのは、記号や略語を使うということです。通訳の世界でも非常に大切な技術なのですが、よく使われる単語は記号化して書くことでメモをとる時間が大幅に節約できます。例えば「増える」であれば「↑」としたり、「減る」であれば「↓」としたり、自分なりに工夫してメモをとりましょう。
もっとも、メモをとる技術(聴いたことを復元する技術)は、練習しなければ絶対に上達することはありません。例えば今後英検のリスニングの過去問題に取り組む際は、すべての問題においてメモをとりながら取り組むことを強くおすすめします。何度も練習しておかないと、自分のメモ取りスタイルとして確立しないからです。
英文を聴きながらメモをとるということは、実際にやってみるとわかりますが、予想以上に負担のかかる作業です。普段から慣れていないと本番ではメモ取り事態に手間取ってしまい、逆に集中力を奪われ、本末転倒になってしまいます。
メモとりの練習を普段からしているという方は少ないと思いますが、自分のメモとりスタイルを確立すればかなりの武器となりますので、ぜひ練習を重ねてください。