ここでは、動名詞の意味上の主語や時制、否定の形、そして現在分詞との違いについて学習していきます。英語学習者の中でも、スピーキングで動名詞をなかなか使えない人が多数です。原因の1つに文法を理解していないこともありますが、使う練習量が足りないことも原因です。
動名詞の意味上の主語
まず、基本的な動名詞の例文を見てみましょう。
I complain about doing the job.
では、次の例文はどのように英訳すればよいでしょうか。
I complain about his / him doing the job.
上の文では、doing the jobの主語は「私」ではなく「彼」なので、主語を入れ替える必要があります。このhis / himの使い方を、意味上の主語と呼びます。
動名詞が他動詞や前置詞の目的語になる場合、意味上の主語は上の例のように所有格のhisか、目的格のhimを使います(himの方がやや口語的になります)。例文で確認しましょう。
I don’t like his / him taking such an attitude. (他動詞likeの目的語)
私は彼がその仕事をやるのに対してい不満を抱いている。
I complain about his / him doing the job. (前置詞aboutの目的語)
主語の部分に意味上の主語を付ける場合、所有格をおくのが普通です。
His doing the job badly makes me irritated. (His doing the job badlyまでが主語)
意味上の主語が普通名詞の場合、所有格で表すときにアポストロフィー「’s」とsをつけて、「’s」とします。目的格で表す場合、普通名詞のみでも構いません。
Mary(‘s) going to school
動名詞の時制、否定
動名詞の時制が文章のメインの動詞よりも前に起こった出来事の場合、動名詞を「having+過去分詞」の形にします。例文を見てみましょう。
I’m sorry for having done that.
She feels sorry for not being able to come on time.
彼女は時間通りに来れなかったことに対して申し訳なく思っている。
She feels sorry for not having been able to come on time.
彼は彼女が時間通りに来れなかったことに対してイラついていた。
He was angry with her not having been able to come on time.
動名詞と現在分詞の違い
動名詞と現在分詞は形が全く同じですが、品詞は異なります。動名詞は名詞としての役割を持ち、現在分詞は形容詞としての役割を持ちます。
例外的に、動名詞も形容詞的に使われることもあり、この場合は判断が難しくなります。しかし、動名詞が形容詞的に使われるときはだいたい決まり文句となっていることが多いので、名詞とセットで覚えたほうが効率がよいです。例を見てみましょう。
a sleeping bag.
これは動名詞であり、sleeping bagというひとつのかたまりとして表現します。
a sleeping bear (現在分詞)
他にも「動名詞+名詞」のかたまりには、以下のような表現があります。
a sewing machine
食堂
a dining room
待合室
a waiting room
などなど