ここでは、第3文型の倒置の読み方について解説をします。5文型の倒置の中で、第3文型の倒置を見極めることは困難です。そのため、ここでしっかりと頭から英文を読み進める考え方を理解してください。
通常の文章では、名詞が最初にきます。そのため、これを主語とし、主語に対する述語(動詞)を探しながら文章を読み進めるということが基本的な考えです。以下に例文をあげます。
文頭に名詞である「I」がきていますので、これを主語とします。その直後に続くtoldがこの文章の述語です。
次に、上記の文章(第3文型)を倒置に変換します。すると、下のような文になります。
このように、第3文型の倒置では、O+S+Vという語順になります。英文を前から読むとき、What I had doneのかたまりを見て「これが主語だ」と予測します。
ところが、その直後に「I」という名詞が見えます。また、suggestは他動詞であるのに、うしろに目的語がありません。ここで、「What I had doneがsuggestの目的語であり、この目的語が文頭に置かれた文章だ」と考え方を変えなければいけません。これが、第3文型の倒置形を頭から読むための思考法です。
先ほども述べましたが、英語の文章は通常、主語となる名詞が最初にきます。ただ、第3文型の倒置形も、目的語である名詞が文頭に置かれます。これが理由で、倒置形か普通の文章かを判別することが難しくなります。
一方、第1文型と第2文型の倒置では、形容詞や副詞が文頭に置かれますので、「これは倒置の文章だ」と容易に把握することができます。下の例文を見てください。
In came a boy. 第1文型の倒置
このように、文頭に形容詞のluckyや前置詞(副詞)のinが置かれている文章は、倒置であることを簡単に見分けることができます。
それでは、長い文章を使って第3文型の倒置形を見てみましょう。
She was beautiful, smart, and politeまでは理解することがそれほど難しくありません。そのあとにbutが見え、one imporant elementという新たな名詞が見えてきます。ここで、「あらたな主語かもしれない」と予測を立てます。
in making herself more friendlyはどこにかかっているでしょうか。これは、element inという語法であり、「~という要素」という訳です。「より彼女を親しみやすくするためのひとつの重要な要素」という意味になります。
このあとに、she had never had, and that is honesty.という文章が視界に入ります。ここで、never hadの後ろに目的語がないことに注目してください。そのあとに、and that is honestyと新たな文章が始まっていることから、「one important elementは目的語である」と考えることが正解です。
全文を訳すと以下のようになります。
このように、第3文型の倒置は、あとに続く他動詞に目的語がない文章で現れることが多いです。これをヒントにし、正確な読解ができるよう練習をすることが大切です。