ここでは、使役動詞と知覚動詞の受動態について学習していきます。日常会話では能動態のほうがよく使われますが、受動態もいつでも使えるようにしておきましょう。
使役動詞の受動態
使役動詞とは、「make, have, letのいずれかの動詞」を使って第5文型を作る動詞を指します。これらは「人、物に~をさせる、させておく」という意味を表すときに使われます。
第5文型とは、「主語+動詞+目的語+補語」であり、SVOCと記されます。(主語=S、動詞=V、目的語=O、補語=C)
目的語とは、他動詞の後ろに置かれる名詞を指します。
補語とは、動詞(V)にさらに説明が必要なときに置かれる品詞です。例えば、He is a student.という場合、He がSでisがV、a studentがCとなります。この場合、もしSVだけであれば「彼はです」という訳になり、これだけでは文の意味を成しません。そこでCを付け加えて、Vをさらに説明する必要があります。
受動態とは「be動詞+過去分詞」で表され、「~は……される」という受け身の意味を持つ文章のことを指します。反対に、「~は……する」という意味を持つ文章は能動態と言われます。過去分詞とは、動詞にedをつけた形が基本となりますが、動詞によっては不規則な形をとることもありますので、これについては辞書で1つ1つ確認しましょう。
使役動詞を使った第5文型を受動態にすると、第2文型に変化します。これはSVCと表記されます。
makeの受動態
ここでは、makeを使った能動態の形を見ていきましょう。この場合、Cには動詞の原型がきます。
彼女は彼に朝食を作らせた。
She made him cook breakfast.
She = S
made = V
him = O
book breakfast = C
breakfastはcookの目的語です。
また、makeをforceに書き換えることも可能です。この場合、Cの部分はto不定詞にします。
She forced him to cook breakfast.
次に、これを受動態にしていきます。makeを受動態で表す場合は、Cを動詞の原型ではなく、to不定詞にします。また、be動詞+forced+to不定詞という形もとることができます。
彼女は彼に朝食を作らせた。
He was made to cook breakfast.
= He was forced to cook breakfast.
letの受動態
letの作り方もmakeの時と同様、能動態ではCに動詞の原型がきます。また、letをallowに書き換えることも可能ですが、この場合はCをto不定詞にします。
彼は子供にビデオゲームをやらせておいた。
He let his child play the video game.
letを受動態で表す場合ですが、makeと違って「be動詞+let to不定詞」という形にすることはできません。そのかわりに、be動詞+allowed to不定詞という形になります。
His child was allowed to play the video game.
最後にhaveを使った受動態ですが、この形はありません。そのため、能動態で表します。
知覚動詞の受動態
知覚動詞とは「人、物の動作を見たり聞いたりしたこと」を表すときに使われる動詞です。see, watch, listen to, feel, smellなどがこの知覚動詞にあたります。
知覚動詞も第5文型を取りますが、Cの部分は動詞の原型か分詞がきます。動詞の原型が使われるのは、人や物の全動作を見たり聞いたりしたときです。分詞が使われるのは動作の一部分を見たり聞いたりした場合に使われます。
私は彼がバイオリンを弾いているのを聞いた。
I heard him play the violin.(全動作)
I heard him playing the violin.(一部動作)
これらを受動態にする場合、全動作表すCの場合はto不定詞にします。一部動作の場合は、能動態と同じく分詞を使います。
私は彼がバイオリンを弾いているのを聞いた。
He was heard to play the violin. (全動作)
He was heard playing the violin. (一部動作)