ここでは、第5文型を学習していきます。日本語に存在しない語順ですので、使い慣れるまでに時間がかかる文型でもあります。しかし、しっかりと理屈を覚えて練習をすれば必ず使いこなせるようになります。何度も例文を音読して会話の中で実際に使うことで、体に叩き込んでいきましょう。
語順
第5文型の語順は、「主語+動詞+目的語+補語」となります。以下の例文で確認しましょう。
私は彼にその車を修理させた。
I made him fix the car.
主語はI、動詞はmade、目的語はhim、補語はthe carとなります。第5文型の特徴は、目的語と補語が主語と述語の関係であるということです。上の例では、目的語のhimと補語のfix the carが主語と述語の関係になります(He fixes the car)。また、補語に動詞がくる場合は例文のように原型となります。
第4文型と第5文型の違い
「2つの文型の見分け方が分からない」という学習者は多いです。しかし、ある場所を見れば簡単に見分けることができます。まずは例文を見てみましょう。
His mother made him a cake. (第4文型)
His mother made him bake a cake. (第5文型)
第4文型では、主語と述語の関係は成り立ちません(he is a cakeとはならない)。一方、第5文型では(he cooks a cake)と、主語と述語関係が成り立っています。ここが見分けるポイントとなります。
名詞、形容詞、句、過去分詞が補語にくる第5文型
第5文型の補語には、動詞だけではなく名詞や形容詞、句も持ってくることができます。例文を見てみましょう。
私はその猫をタマと名付けた。
I named the cat Tama. (名詞)
彼は私をキャシーと呼んだ。
He called me Cathy. (名詞)
コーヒーはブラックでお願いします。
I’d like my coffee black. (形容詞)
このお菓子をもっと甘くしてほしい。
I want this snack sweeter. (形容詞)
気が付くと私はソファーの上にいた。
I found myself on the sofa. (on the sofaという句)
わたしの英語が通じた。
I was able to make myself understood in English.
※make+人+understoodで、「通じる、理解させる」という決まり文句です。
補語に動詞の原型を置くべきか過去分詞を置くべきか迷う人がいますが、使い分けは簡単です。目的語と補語の主語、述語関係を見て、受動態の文章になれば過去分詞を使います。
上の例文では、目的語と補語の主語、述語関係を見ると、「I was understood in English」という受動態の文章となります。そのため、第5文型の補語ではunderstoodという過去分詞が使われています。
使役動詞
「~に……させる(してもらう、させておく)」という第5文型を作る際、動詞はmake, have, letのいずれかを使います。これらの動詞は使役動詞と呼びます。makeは「(強制的に)~させる」、haveは「~してもらう(makeより強制力はありません)」、そしてletは「(自由に)~させておく」という意味の違いがあります。例文を見てみましょう。
私は彼を夜遅くまで働かせた。
I made him work till late at night.
私は彼に夜遅くまで働いてもらった。
I had him work till late at night.
私は彼を夜遅くまで働かせておいた。
I let him work till late at night.
また、補語に過去分詞や句、形容詞を置くこともできます。
私は車を直してもらった。
I had my car fixed. (過去分詞)
私は猫をベッドの上にいさせておいた。
I let my cat on the bed. (on the bedという句)
彼女は私を幸せにしてくれた。
She made me happy. (形容詞)
知覚動詞
「~が・・・するのが聞こえる、見える」など、五感を表す動詞が第5文型に来るときは知覚動詞を使います。知覚動詞には、see, listen, hear, watch, smell, feelなどがあります。例文で確認しましょう。
私は彼がピアノを弾いているのを聴いた。
I listened to him play the piano.
また、補語に現在分詞(動詞の後ろにingをつけた形)を置くこともできます。
私は誰かがピアノを弾いているのが聞こえた。
I heard someone playing the piano.
補語が原型動詞の場合は、「ピアノを弾いているのをはじめから最後まで聴いた」という意味です。現在分詞であれば、「途中まで(から)演奏を聴いた」というニュアンスの違いがあります。
普通の第5文型と同じように、補語に過去分詞や句、形容詞を持ってくることもできます。
私は自分の名前が呼ばれているのが聞こえた。
I heard my name called.
私は風が寒く感じた。
I felt the air cold.
私は片足が水の中に入っているのを感じた。
I felt one of my feet in the water.