ここでは、比較級と仮定法の倒置構文の読み方を解説していきます。誤読する可能性が低い箇所ですが、なぜ倒置が起こるかを理屈で理解しておくことが大切です。
まずは、簡単な比較級を見てみましょう。
これは通常の比較級の文章であり、「私の妻は妹よりも背が高い」という意味になります。my sister isのisは、省略しても構いません。
ネイティブは、最後にisで文章が終わることを好みません。なぜなら英文の性質上、文章の最後には重要な語句がきます。そこに「意味のないisを置きたくない」という気持ちが働くのです。
これを避けるために、isを省略するか、倒置形にするということがあります。倒置の文章にすると、以下のように変化します。
これは、doやdoes、didで終わる比較級でも同様です。
通常の文章だと、than以降はthose in ancient times didとなります。全文を訳すと、下のようになります。
仮定法の倒置
仮定法の倒置は、文頭にくるだけではなく文中などにも現れます。これを見極める方法ですが、疑問文の形となって現れるので、そこから仮定法だと判断することができます。下記に、仮定法の倒置形をまとめてあります。
If it were not for → Were it not for
If it had not been for → Had it not been for
If+S+should → Should+V
If+S+had+過去分詞 → Had+S+過去分詞
上の表では、右側が倒置形です。これらの形を覚えておき、英文を読んでいく中で倒置かどうかを判断してください。それでは、以下に例文を挙げます。
文頭のHeからinventing a new deviceまでは通常の文章です。意味は「彼は何度も失敗したが、新しいデバイスを発明することを決して諦めなかった」です。
このあとのeven should it takeが見えた時点で、「なぜここが疑問文の語順なのか」と考えることが大切です。上で述べた仮定法の倒置形を覚えておけば、「If+S+shouldの倒置形だ」と気づくのは簡単なはずです。訳は、「たとえ何年かかったとしても」です。
全文を訳すと、下のようになります。
以上が比較級と仮定法倒置形の文章です。これを正確に読み解くには、文法知識があるかどうかがカギとなります。もしこの知識が曖昧であれば、もう一度文法を復習してください。