英語の文法:if節の代用、条件節や帰結節の省略、仮定法構文

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仮定法は、実際に実現しなかった現在や過去のこと、または未来において実現する可能性が低い場合に使われる表現方法です。時制の扱いが特殊であり、1つ過去にずらすという操作を行わなければいけません。日本語には時制という概念がないので、これが仮定法を難しくしている理由の1つでもあります。

このセクションでは、仮定法の中で以下の文法を学習していきます。

  • if節の代用
  • 条件節、帰結節の省略
  • if it were not for, if it had not been forとその書き換え
  • as it were, so to speak (= say)
目次

if節の代用

仮定法の中のif節(条件節)は、以下の文法で代用することが可能です。if節(条件節)とは、「もし~なら」という意味にあたる部分を言います。

不定詞

彼がフランス語を話すのを聞けば、彼がフランス人だと思うでしょう。
To hear him speak French, you would think him (to be) a French.
= If you heard him speak French, you would think him a French.

分詞構文

もしその事実を知っていれば、彼女にすぐに知らせることが出来るのに。
Knowing the truth, I could let her know soon.
= If I knew the truth, I could let her know soon.

副詞

5年前ならもっと早く泳ぐことが出来ただろうに。
Five years ago, I could have swum faster.

主語の名詞

彼みたいな人ならそんなことはしなかっただろう。
The person like him wouldn’t have done such a thing.

スピーキングにおいては、「副詞」と「主語の名詞」の代用はそれほど問題なく使うことができるでしょう。一方、「不定詞」と「分詞構文」の代用は人によります。これら2つを使う利点として、時制の一致を回避するこができます。日本人が苦手とする時制を避けることで、文章をスムーズに作ることが可能です。

しかし、if節とメインの文章(帰結節)の主語が違う場合、文法的な操作が必要になります。たとえば、以下の例文はどうでしょうか。

もし彼が十分にお金を持っていれば、彼女は彼にバッグが欲しいと頼むことができるのだが。

if節の主語は「彼」であり、帰結節の主語は「彼女」となります。そのため、以下のように文章を作る必要があります。

不定詞

For him to have enough money, she could ask him to buy her a bag.

分詞構文

His having enough money, she could ask him to buy her a bag.

このように、それぞれ「have (having) enough money」の主語を示す意味上の主語を置く必要があります(分詞構文の場合、意味上の主語が置かれると独立分詞構文と言われます)。

こういったことを考慮したうえで、自分の使いやすい方法を選んでください。ちなみに、私の場合はどちらとも使わずに普通の仮定法を使います。文章を主語から、「If she had~」と作ることに慣れているからです。

「For her」や「Her having」といった文章よりも、「主語+動詞」という文章構成の方が実際の会話で使う機会が圧倒的に多いです。時制を過去にずらすという操作さえ慣れてしまえば、こちらの方が作りやすいでしょう。

条件節の省略

会話ではよく、条件節(if節)が省略されることがあります。つまり、If+主語+動詞の文章が省略されるのです。これでは仮定法を見分けるのが難しくなりますが、助動詞の過去形が使われていれば基本的にこの形だと思って良いでしょう。あとは前後の文脈で判断し、仮定法かただの過去形かを判断します。

私ならもっと早く泳げるけどね。
I could swim faster.

if節を省略しないでこの文章を表現すると、以下のようになります。

(もし私が泳ぐのなら)もっと早く泳げるけどね。
(If I swam), I could swim faster.

実際の会話では、このif節の部分は言わなくても分かるという前提で省略が起こります。

とてもお腹が減っているので、馬でも食べられるくらいだ。
I’m so starving that I could eat a horse.

これは、「I could eat a horse」という決まり文句化した表現となります。このまま覚えてしまいましょう。

帰結節の省略

帰結節の省略は、会話ではよく使われる表現です。使われる表現は大体決まっており、「If only+主語+could, would+動詞」が主に使用されます。以下の例文で確認しましょう。

彼女に会うことが出来ればなあ!
If only I could meet her!
= I wish I could meet her.

If onlyはI wishより願望の度合いが強いです。

上記のように、couldが使われる場合は可能の概念を表します。一方、wouldは意思の概念を表すことができます。

if it were not for / if it had not been for

これらは2つとも、「もし~がなければ」、「もし~がなかったら」という構文で、文語的な表現になります。言い換え表現として、but forとwithoutがあります。会話では、withoutを使うのが一番簡単ですので、この表現を使っていきましょう。

もし水がなければ、彼は生きていけないだろう。
If it were not for water, he would not be able to live.
= Without (= But for) water, he would not be able to live.

もし水がなかったなら、彼は生きていけなかっただろう。
If it had not been for water, he couldn’t have lived.
= Without (= But for) water, he couldn’t have lived.

 as it were / so to speak / so to say

これらは「いわば~」という意味であり、as it wereは文語的表現です。so to speakとso to sayは会話でも使われる表現となりますので、こちらを使っていきましょう。

彼はいわば生きたコンピューターだ。
He is, as it were, a living computer.
= He is, so to speak (= so to say), a living computer.

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