ここでは、不定詞の意味上の主語や完了形、進行形、it is+形容詞+of+人+to doの形、そしてbe to doを学習していきます。最初のうちは、これらはスピーキングで使いづらい文法です。まずは理屈を理解し、何度も例文を音読して口に覚えさせてしまいましょう。
不定詞の意味上の主語
まずは、普通の不定詞の例文を見てみましょう。
It was difficult to pass the exam.
これは通常の仮主語のitを使ったto不定詞の構文となり、「(一般的に)その試験に合格することが難しい」というニュアンスとなります。では、「彼女がその試験に合格することは難しかった」と表現する場合はどうなるでしょうか。その場合は以下のようになります。
このようにすると、pass the examに対する主語が「彼女」となります。そのため、for herと付けて「これがpass the examの主語である」という目印になります。これを、意味上の主語と言います。意味上の主語を表すには、to不定詞の前に「for+人・物」を付けます。
意味上の主語は、名詞的用法、形容詞的用法、副詞的用法の3つを使うことができます。
・名詞的用法
It was difficult for her to pass the exam.
= For her to pass the exam was difficult.
上記の例文の場合、仮主語のitを使って意味上の主語を表すことが普通です。
・形容詞的用法
There are many books for him to read.
・副詞的用法
He came up with a good idea for his kid to want to do his homework.
意味上の主語は、in order toやenough to、too to構文でも使うことができます。in order toを使うときは、「in order for+名詞+to do」、enough toを使うときは「enough for +名詞+to do」、too toを使うときは「too+形容詞+for+名詞+to do」となります。例文で確認しましょう。
He stood aside in order for her to go though.
この部屋は彼が住むには十分な大きさだ。
This room is large enough for him to live in alone.
この牛乳は熱すぎて赤ちゃんは飲めない。
This milk is too hot for the baby to drink.
It is+形容詞+of+人+to do
この構文は「It is +形容詞+for+人+to do」と似ていますが、話し手がある人に対する評価(性格など)をするときに使われる構文です。例文を見てみましょう。
It is kind of him to hold the door.
財布を電車に忘れてくるとは彼女は不注意だった。
It was careless of her to leave her wallet on the train.
彼女がその試験に合格することは難しかった。
It was difficult for her to pass the exam.
性格を評価しているわけではないので、ここではforを使います。
不定詞の完了形と進行形
to不定詞内の過去の出来事を表す場合、完了形を使います。完了形を表す際はto have+過去分詞で表現します。進行形のときは、to be+進行形です。例文で確認しましょう。
He seems to be happy.
彼は幸せだったようだ。
He seems to have been happy. (完了)
彼はパニックになっているようだ。
He appears to be panicking. (進行)
be+to do
be+to doには予定、運命、義務、命令、可能、意思の用法があります。やや硬い表現であり、新聞や雑誌などで使われます。1つ1つ見ていきましょう。
・予定
The concert is to be held today. (= is going to)
・運命
I am to marry her. (= am meant to)
・義務、命令
You are to stop drinking. (= should, must)
・可能
The watch was not to be found. (= can)
・意思
He is to study. (= will)