リスニングに関するよくある悩みに、「音が聞き取れない」や、「音は聞き取れるのだが、何が言いたいのか分からない」というものがあります。
前者の悩みは、まだ英語特有の音の崩れに耳が慣れていないか、使われている単語や熟語を初めて聞いたために聞き取れないということが主な原因です。これに関しては、ひたすらディクテーションをして音の崩れに徐々に慣れていくことが大切です。単語や熟語に関しては、暗記をすればよいです。
一方もう1つの悩みですが、これに関しては以下の3つが考えられます。
使われている文法、語法がわからない。
主語、動詞などの品詞を理解しながら聞いていない。
構文を意識して理解していない。
まず1の原因ですが、これは文法と語法を理解していないために文章を誤解してしまったパターンです。続いて2ですが、これは英文を頭から理解する上でとても重要なこととなります。英文を聞いている際に、「どこからどこまでが主語なのか、目的語を話しているのか補語を話しているのか」など、文章を文法的に分解しながら理解して聞いていきます。
最後の3ですが、これは構文の理解が重要となります。私たち通訳者や英語上級者の方たちは、品詞を理解しながら聞いているのと同時に必ず構文も意識して聞いています。
例えば、enough to構文を使ってネイティブが以下のように話したとしましょう。
The development of the country is rapid enough for the prime minister to ~
enoughと聞こえたときに、英語上級者は「次にto不定詞が来るな」と予測を立てておくのです。そうすれば、何も予想をしないで聞くよりも余裕を持つことができるので、聞き取りがだいぶ楽になります。
しかし、これはすぐにはできるようにはなりません。同じ文章を何度も聞き返し、頭から理解する感覚を体で覚えていきましょう。
リーディングの教材を使い、頭から理解する練習を行う
文頭から順に理解する訓練は、リーディング教材で練習するとよいでしょう。リーディングの場合、英文を読むスピードを自分で調整できます。そのため、リスニング教材と比べたらこちらの方が頭から英文を理解する練習には効果的です。
文頭からスタートし、常に主語、動詞、目的語、補語などの品詞を意識しながら読んでいきます。この練習を繰り返していけば、おのずと英文のパターンが理解できてきます。そして、徐々に品詞を考えなくとも英文を理解できるようになります。そうすれば、リスニングでも同様の効果が期待できるでしょう。