英語学習者の多くは、スピーキングの練習をする際に、「ネイティブの音声が必要だ」と思っています。彼らの英語を聞き、それを音真似して英文の音読をするというものです。
このような学習法を推奨している教材は多いですが、実際のところ、音声は無くてもスピーキング力は伸ばせます。
これに関しての詳しい説明は、下の動画で確認してください。
音声よりも文法
私が英語を話せなかったとき、まずは文法力と単語力を鍛え、そして例文の音読を大量にこなしました。このとき、ネイティブの音声は一切使いませんでした。それでも現在は、通訳レベルの英語力が身についています。
たとえネイティブの音声を聞いてそれを音読しながら暗記をしたとしても、文法力がなければ実際の会話で覚えた例文を応用することができません。例えば、以下の例文を暗記したいとします。
たとえ彼が彼女の三倍多く仕事をこなしたとしても、彼女が最初にマネージャーに昇進するだろう。
Even if he does three times more work than she does, she will be promoted to manager first.
上の例文は、Even ifという接続詞や比較級の倍数表現を使っています。これらの文法知識がなければ、ネイティブの音声を使って暗記をしても意味がありません。日常会話の場面で応用ができないからです。
発音は最低限アクセントさえ間違えなければ通じる
「文法を理解した上で、ネイティブの音声を聞きながら音読すればよい」という人もいるでしょう。ただ、これも必要ないと私は考えます。なぜなら、発音に関してはアクセントを間違えなければ通じるからです。
もちろん、ネイティブのような発音で英語を話したい人は、市販で売られている発音教材で勉強しても構いません。
私はイギリス英語が好きでしたので、映画を見ながら彼らの音真似をしていたことがあります。それにより、発音がイギリス英語寄りになりました。ただ、母国語が日本語ですので、どうしても日本語訛りが混ざってしまいます。それでもネイティブには「英語が聞き取りやすい」と言われます。
ネイティブは私たちに、完璧な発音を求めていません。それよりも、私たちが話している内容に焦点を当ててきいています。つまり、正しい文章を作れることが大事なのです。
そのため優先順位としては、まず文法力と単語力を鍛えてください。日本語訛りでも正しい英文が作れるようになったら、あとは自分の好みに合わせて好きな国の発音をマスターすれば問題ありません。こうしてスピーキング力を鍛えるための土台を構築していくのです。