英語は世界共通言語であり、多くの国で話されています。英語を話す人の大半は、実はノンネイティブです。つまり、私たち日本人と同じように、英語を第二外国語としています。そのため、その国独自の英語アクセントが多数存在します。
私たち日本人は、リスニングが苦手な人が多いです。なぜなら、話す、聞く、読む、書くという4技能の中ではリスニングが一番難しいからです。英語を使うときは、ノンネイティブと会話をする機会がたくさんあります。もし彼らのアクセントに特徴がある場合、彼らの英語を聞き取るのはより困難になります。
このような理由で、「さまざまなノンネイティブの発音に慣れるためにはどうすればよいか」という質問を受けることがあります。これについては下の動画で解説をしてあります。
全てのノンネイティブの英語発音に慣れることは不可能
私がアメリカにいた頃は、当然ながらアメリカ英語に慣れていきました。ただ、最初は彼らの発音に全く慣れていませんでしたので、ひたすらディクテーション(読み上げられた英語を書きとる訓練)を行っていました。これにより、徐々にですがアメリカ英語のリスニング力が向上しました。
そのあとは日本に帰国し、通訳の勉強をしました。一通り通訳の仕事をしたあとは、会計の勉強をするためにイギリスの大学に留学しました。「英語を一通り話せるし、会話で困ることはないだろう」と当初は思っていました。しかし、現実は全く逆でした。
私は、ロンドンから北に電車で2時間ほどかかる場所にあるノッティンガムに留学をしました。そこで話す彼らの英語が、最初は全く理解することができませんでした。
例えば、私が路で友達を待っていたとき、イギリス人が私に話しかけてきました。そこで、彼は「Have you got a lighter?」と聞いてきました。しかし、私はこれを聞き取ることができませんでした。なぜなら、日本でも地域によって方言があるのと同じように、イギリスにもさまざまなアクセントがあるからです。ノッティンガムでは「アクセントのついていないTは省略される」というルールがあることを知らなかったのです。
私は彼の英語をもう一度ゆっくり、しかもジェスチャーつきで話してもらってようやく理解することができました。このように、ネイティブの英語でもたくさんのアクセントがあるために聞き取りやすい人とそうでない人がいます。
上記の理由から、ノンネイティブの英語にはもっと強いアクセントが存在する場合があります。これは、私たち日本人にも当てはまります。日本語は母音をしっかりと発音する言語なので、英語を話すときも母音を強めに発音する人が多いです。例えば、「girl」を「ガール」と発音するように、「l」という子音だけの部分に「ウ」という母音を発音する人が大半です。
ノンネイティブの発音は多岐にわたり、インド訛りやフランス訛り、ナイジェリア訛りの発音などがあります。全ての英語アクセントに慣れることは不可能と言えます。そのため、さまざまな国の英語発音に慣れるのは諦めた方が賢明です。
もしあなたがノンネイティブと話しているときに彼らの英語が分からなかった場合、もう一度言い直してもらいましょう。
多くの日本人は、「彼らの英語を一回で聞き取れないのはまだ自分のリスニング力が足りないからだ」と思います。しかし、原因は彼らの訛りの強さにあるかもしれません。