英語をマスターするにあたり、文法力と単語力は必須です。この2つの能力なしに、スピーキング、ライティング、リーディング、リスニングの練習をするのは時間の無駄です。
文法と単語は、バランスよく学習していく必要があります。例え文法を極めたとしても、単語力が不足していては表現できる内容が限られてしまうからです。
確かに、限られた語彙力の中で言いたいことを言えるようにする練習は必要です。いわゆる言い換え練習となります。しかし、より上級レベルを目指すのであれば、文法と並行して新出単語を覚えていく必要があります。
多くの学習者は、単語を単体で暗記しようとします。しかし、それでは単語を自由に使いこなせることはできません。例えば「役に立つ」はusefulという英単語を使います。それでは、「~に役に立つ」は何と言えばよいでしょうか。正解は、useful inです。
このように、単語を覚える際はかたまりで覚えることが大切です。今後新しい単語を暗記するときは、以下の4つを意識してください。
- 語法
- コロケーション
- 決まり文句
- 専門用語
それでは、順番に解説をしていきます。
語法
上記の「useful in」は、usefulの語法です。usefulを使う際に「~に役に立つ」と言いたい場合は、「inを使う」という決まりがあります。こういった語法は、ほとんどの単語に存在します。正確な英語を話すためには、この語法を意識しながら英文を作らなければいけません。
コロケーション
「コロケーション」という言葉はあまり聞いたことがないでしょう。これは、相性の良い単語と単語の組み合わせを指し、語法とは多少異なります。例えば、「計画を立てる」は「make a plan」と表現できますが、「build a plan」とは言えません。
日本語に引きずられて、「立てる」をbuildと訳してしまうと、このような間違いを起こしてしまいます。コロケーションの組み合わせは幅広く、「形容詞+名詞」や「動詞+名詞」、さらには「副詞+形容詞」まであります。語法よりもバリエーションが幅広いので、長い時間をかけて1つ1つ覚えていくしかありません。
決まり文句
決まり文句は、「コロケーションが文章単位になったもの」と考えればよいでしょう。例えば、「元気ですか?」は、「How are you?」や、「How’s it going?」といった決まり文句があります。日本語を直訳して、「Are you fine?」とは言いません。
決まり文句は、特に日常英会話で頻繁に使われます。しかも、かなり多くの決まり文句が存在します。あいさつ程度の簡単な会話であれば、このような表現だけでネイティブと意思疎通をはかることができます。
巷で販売されている英語教材は、上記のことが理由で「英会話は頻出フレーズだけでマスターできる」と誇張します。しかし、言いたいことを何でも言えるようになるには決まり文句だけでは足りません。しっかりと文法も覚える必要があります。
専門用語
各分野には必ず専門用語があります。たとえば、会計学でしたら「財務諸表、減価償却、現在価値」などが専門用語に当たります。こういった単語は、自分で勝手に英訳せずに決まった英訳で覚えなければなりません。
もし「財務諸表」を「financing list」などと訳しても、ネイティブには通じません。この用語には「financial statement」という言い方がありますので、そちらを覚えなければいけません。
以上4つが、単語力を構成する4要素です。これらをバランスよく覚えていき、自分で使える単語数を増やしていきましょう。