これで完璧!「お疲れさま」に対する英語表現31パターン

外国人の友人と話していると、日本語の「お疲れさま」という表現にはなかなか馴染めなかったという話題が出ました。確かに「お疲れさま」は、日常生活でよく使われる表現です。しかし、仕事が終わり「お疲れさまです」と言われるのならまだしも、朝の挨拶で「お疲れさまです」と言われると、「まだ疲れていませんよ」と言い返したくなったそうです。

 

昔は、「お疲れさまです」が今のように挨拶として使われることはあまりなかったと思います。やはり友人が言うように、仕事が終わったときの労いの言葉として使われていたように思うのです。言葉や表現は、使われる間に意味が変わったり、新しい意味が加わったりすることが多くあります。これは、日本語だけではなくあらゆる言葉やそれを用いる表現などにも共通することです。

 

今回は、日頃あまりその意味を深く考えずに使っている日本語の表現の一つ、「お疲れさま」について考えてみたいと思います。まず、日本語特有の表現と言われる「お疲れさま」が日本語ではどのような意味を持つのかを考えてみましょう。それから、英語では表現しにくい日本語の「お疲れさま」が英語の表現ではどう言えるのか、その意味に当たる英語の表現を解説していきます。

 

日本語特有の表現「お疲れさま」の意味するもの

「お疲れさま」が使われる4つの場面について考えてみましょう。

 

4つのお疲れさま

(1)労いの表現としての「お疲れさま」

(2)仕事が終わり退社する時の挨拶表現としての「お疲れさま」

(3)出社する時や社内での挨拶表現としての「お疲れさま」

(4)ほめ言葉や称賛の表現としての「お疲れさま」

それでは、一つずつ見ていきましょう。

 

 (1)労いの表現としての「お疲れさま」

「お疲れさま」という表現の本来の意味で、労苦を労うための表現です。それは、会社だけではなく、家庭や学校でも頻繁に使われる表現です。「(本当にお疲れになったでしょう)、お疲れさまです」のように、仕事、家事、クラブ活動や勉強などの労苦を労います。この意味で使われる表現が「お疲れさま」の本来の意味を持つものです。

 

 (2)仕事が終わり退社する時の挨拶表現としての「お疲れさま」

退社時の挨拶としての「お疲れさま」に違和感がある人は、まずいないのではないでしょうか。個人的にもよく使う挨拶表現です。「お疲れさま」は、学生時代の体育系クラブの練習が終わり帰宅する前の挨拶としてもよく使われています。

 

 (3)出社するときや社内での挨拶表現としての「お疲れさま」

出社するときに「お疲れさま」という挨拶を私たちは無意識にしています。これは、ここ20年くらいのことです。しかし、よく考えてみると、出社時の「お疲れさま」は論理的には矛盾しています。社員たちは、休養や睡眠で前日の仕事による疲れがとれてリフレッシュされた状態で会社にきているはずです。それにも関わらず「お疲れさまです」が挨拶として使われるのには、少し納得がいかない気がします。

 

前述しましたように、これは、やはりある言葉や表現が使用される間にその言葉や表現の持つ本来の意味が微妙に変わったり、新しい意味が加わったりすることで起きることなのです。出社時や社内での挨拶で毎日「お疲れさま」、「お疲れさまです」と社員同士の間で頻繁に使われたとしても、それは単なる挨拶に過ぎず、社内に疲れた人が続出しているという大変な状態ではありません。

 

 (4)ほめ言葉や称賛の表現としての「お疲れさま」

「お疲れさま(中々良かった)」や「お疲れさま(非常に素晴らしかった)」のように、人をほめるときや称賛する表現として使われる場合があります。会社、家庭や学校でひんぱんに使われます。この表現にはほめ言葉や称賛の意味がありますが、人によれば相手のモチベーションを上げる意図で効果的にこの表現を使う人もいます。

 

日本語特有の表現「お疲れさま」にあたる英語表現

それでは、既に説明した「お疲れさま」の4つの使い方の英語表現を考えてみましょう。

 

 (1)労いの表現としての「お疲れさま」の英語表現

労いの言葉や表現の「お疲れさま」は、以下の通りです。

Thank you so much for your great work!

Thanks for working hard!

Thanks for your hard working!

Thanks for the hard work!

Thanks for all the hard work!

Thanks for working so hard!

Thanks for all your hard work!

Thanks again for your hard work!

You must be tired today!

You must be worn out today.

 

※worn outは「擦り切れた」で、かなりのハードワークした意味が表せます。

また、二つを合わせて言うこともできます。

You must be worn out today! Thanks for your hard working!

Thanks for your hard working! You must be worn out today!

 

 (2)仕事が終わり退社する時の挨拶表現としての「お疲れさま」の英語表現

まず最も考えられるのは以下の例文です。

Goodnight!

Have a nice evening!

See you tomorrow!

 

週末の場合は、以下のように言うこともできます。

Have a nice weekend!

See you next week!

 

 (3)出社するときや社内での挨拶表現としての「お疲れさま」の英語表現

これに関してはいろいろとありますが、代表的な表現を以下にあげます。

Good morning!

Good morning, Kobe!

Good afternoon!

Good afternoon, Pat!

Hi, Nancy!

Hello, Sir! (sirは目上の男性つける敬称です)

Hello, Ma’am! (ma’amは目上の女性につける敬称です)

 

挨拶にも目下、目上、同僚や上司などで多少の使い分けが必要な場合があります。これについては、ケースバイケースになりますが日本ほど使い分けは厳しくはありません。英語には先輩後輩という概念がないため、相手が年上だとしてもそれほど丁寧になる必要はないです。

ただ、初対面の人やお客様に対してはHello, Sir!のように丁寧な言葉を使うネイティブもいます。

 

 (4)ほめ言葉や称賛の表現としての「お疲れさま」の英語表現

人をほめるときや称賛する表現として使われる「お疲れさま」を英語表現に求めるとしたら、英語表現の場合は比較的たくさんあることに気がつきます。この表現も会社、家庭や学校でよく使われます。それでは例文を見て見ましょう。

Well done!「お疲れさま!(よくできた!)」

Good job!「お疲れさま!(いい仕事だ!)」

Good work!「お疲れさま!(よく働いた!)」

Awesome job!「お疲れさま!(すごい仕事だ!)」

Excellent work!「お疲れさま(素晴らしい仕事だ!)」

 

これらの表現は同僚や部下には気がねなく使えると思いますが、親密度の低い上司や目上の人には使わない方が無難です。代わりに、少し硬い表現になりますが以下の表現を使うことをお勧めします。

私は、あなたの勤勉さに本当に感心させられます
I’m really impressed with your hard work.

 

あなたの勤勉さを常に敬います
I always admire your hard work.

 

あなたの素晴らしい仕事が本当に好きです(評価します)
I really like your great work.

 

その事案をあなたが(上手く)処理されたのと同じように処理できればいいのですが
I wish I could do the same way you handled the case.
(私には、あんなに上手くはできませんと、上司のした処理を高く評価するものです。)

 

まとめ

今回は、「お疲れさま」という日本語特有の表現について、英語表現ならどんな表現が当たるのかということを考えてみました。友人が言うように最初は「お疲れさまです」と朝から挨拶されるのには「おかしい」と感じましたが、慣れれば違和感が消え去り、自分でも同じように「お疲れさまです」と挨拶するようになっていました。

 

よく考えると、この「お疲れさまです」という挨拶表現には、日本独特の考え方があるような気がします。それは、会社への強い帰属意識です。社員同士が「お疲れさま」と声を掛け合うことができるのは、同じ会社で苦労を共にしている社員同士が会社への強い帰属意識を互いに共有しているからこそできると思うのです。このようなことを考えながら日本語表現と英語表現を比べることで、より細かいニュアンスも表すことができるようになっていきましょう。

ホンモノ英語3つの秘密動画講座

知識ゼロの人でも日本語並に英語が使えるようになる同時通訳メソッドを公開中!

英会話で頻繁に使われるフレーズを無料で週3回配信!



ホンモノ英語の詳細を見る