最近、ますます日本へくる外国観光客の数が増えてきています。それに伴い、英語が必要な店の数も増えてきました。分かりやすい例だと、レストランやカフェ、ホテルなどがこれにあたります。
ただ、海外旅行者増加にもかかわらず、いまだに十分な英語力をもった社員やアルバイトが少ないのが現状です。そのため、外国人のお客様を接客するときにジェスチャーを交えたり、メニューを指さして”This one”と言って意思疎通を図ることがよくあります。
料理の注文などの簡単な接客英語であれば、それほど高度な英語力は必要ありません。ただ、クレームなどの混みいった会話をするときには、高度な文法力が要ります。
上記のような問題を解決するため、ここでは英語力がそれほどない従業員に短期間で英語を身につけるための方法を解説します。このノウハウは、通訳者も現場に出る前に実際に使っているものです。
現場で使うであろう表現を全て英訳しておく
英語を自在に操るには、文法を勉強することが必要不可欠です。この要素が抜けていては、いつまでたっても間違った英文を作ってしまいます。これに関しては、「英語をマスターするにあたり、文法知識は必須である」と「英会話をマスターするには受験英語の勉強が必要である」の記事をご覧ください。
しかし、文法をマスターするにはかなりの時間がかかります。そこで、文法レベルが中1で止まっている方でも、ある程度の意思疎通を図れる学習法をお教えします。それは、上記の見出しにもある通り、現場で使う表現を前もって用意しておくことです。
例えばレストランであれば、接客で使う表現はいくつか決まっているはずです。以下に例文を列挙します。
いらっしゃいませ | Hello. / Hi, how are you? |
何名様ですか? | How many people? |
喫煙席と禁煙席どちらがよろしいですか? | Would you like a smoking table or a non-smoking (table)? |
こちらへどうぞ | Please follow me. |
こちらでメニューです | Here’s the menu. |
このように、お店で使うであろう表現を英訳しておき、それを暗記していつでも口から出てくるようにすればよいのです。暗記の仕方は、以下のように行ってください。
1.日本語を見て口頭で英語に訳せるかテストする。
2.英語を見ながら30回音読する、そのあとに日本語を見ながら30回音読する。
3.翌日に1と2を繰り返す。
上記の手順に従って、1週間ほど試してみてください。日本語を見た瞬間にスラスラと英語が出てくるようになっているはずです。1日に覚える英文の量は、20~50例文などが良いでしょう。
このようにして、表現できる英文の量を少しずつ増やしていけば問題ありません。
文法は最低でも中3レベルまで身につける
上記で説明した勉強法は応急処置的な方法であり、万が一用意していない英語を話すことになった場合、口から英語がでてこないということがあります。こういったことを避けるために、英語表現を覚えることに加え、文法学習も怠らないようにしましょう。
ただ、接客英語で使う簡単な表現であれば、中3レベルの文法力でもある程度は言いたいことを言えるようになります。時間はかかりますが、徐々に英語の基礎力をつけていくことを意識しましょう。
まとめ
このように、現場で使う表現集を作成し、それらを何度も音読することによって英文を暗記することが効果的です。自在に使える英語力ではありませんが、外国人観光客に対して最低限の接客をすることが可能になります。
これからますます日本に訪れる海外の旅行者が増えていきます。彼らを十分におもてなしをすることができるように、今のうちにしっかりと準備をしておきましょう。