ここでは、プロの同時通訳者も実際に使っている英単語の暗記法について学習をしていきます。
こちらの記事は中学生に向けた記事ですが、大人の方にも非常に効果的な単語の覚え方やコツを紹介していきます。また、ビジネス英単語の暗記にも使えますのでぜひ最後までお読みください。
英語だけではなく、語学において英単語の暗記は必須です。これは避けて通れない道であり、学習者が乗り越えなければいけない壁となります。
ただ、世の中には多くの誤った単語学習法が出回っているのも事実です。
そして、間違った単語の覚え方はほぼすべての学校で教えられており、電車のなかで中学生が英単語を暗記している姿をみていると「その英単語覚え方だとあまり効果がないんだよな」と思ってしまいます。
ですのでこの記事を読んでいる皆さんには、実際にプロが使っている本当の英単語暗記法を教えていきます。
それでは、以下から正しい英単語の覚え方やコツを伝授していきますね。
英単語の覚え方:中学生の英語学習法・中学英語のトレーニング法
まず結論を言うと、英単語の覚え方は英語で書かれてた本や雑誌、新聞などを読んだりニュースや海外ドラマを見ていく中で身につけていくものです。
先ほども言ったとおり、多くの中学生は英単語を覚える時、英単語集を買ってそこに書かれている単語を暗記しようとしています。
もしくは英単語を1つ1つノートにキレイに書き写したり(品詞や発音記号、例文などもしっかりと書いている人もいます)、フラッシュカードを使って表に日本語、裏に英語を書いて英単語を暗記している人もいます。
ただ、これだとネイティブといざ会話するときに暗記した英単語が口からスラスラとでてきません。
また、本を読んだりニュースを聞いているときに、仮にその覚えた英単語の意味がわかったとしても、文章全体の意味がわからないということがよく起こります。
ですので、この記事を読んでいる中学生の方は上記のような学習法しないよう気をつけてください。
それでは、私を含めた同時通訳者流の英単語の覚え方を紹介していきますね。
ざっくりまとめるとこんな感じです。
- 英単語集を使って見たことのある単語を増やす
- 実際の英文を読む中で英単語集の中で見たことのある英単語を認識語彙に変える
- さまざまな文脈で同じ英単語に出会い、コロケーション力を身につける
- 同じ英単語に出会う中で運用語彙を増やしていく
- 場面に適した英単語を使いこなせるようにしていく
それでは1つずつ深堀りしていきますね。
1.英単語集を使って見たことのある単語を増やす
上で少し話しましたが、英単語集を使って単語を丸暗記しようとするのは正直効率が悪いです。
なので、ここでは多くの方がやってないであろう英単語集の使い方のコツをお教えしますね。
英単語集を使う目的は、見たことのある単語を増やすためです。
そして、見たことのある単語を次のステップ2である認識語彙に変化させていきます。これは別名、パッシブボキャブラリーとも言われます。
認識語彙とは、意味は知っているけど自分では使えない英単語のことを指します。
ちなみに、単語の意味もわかってて自分でも使える単語のことを運用語彙(アクティブボキャブラリー)と言います。
これに関しては後で詳しく説明しますね。
では、認識語彙の例を出します。
例えば「手に入れる」は英語でgetです。ただ、「手に入れる」の意味を持つ英単語は他にもobtainやretain, gain, acquire, come byなどたくさんあります。
英単語の暗記をそれなりにしている方はacquireという英単語を見たことがあり、意味も分かると思いますが、どのような文脈でどんな単語と一緒に使うかはわかりますか?
もしその答えがNoなら、acquireという単語は自分では使えない英単語ということです。ただ、読んだり聞いたりしたら分かるというのであればそれは認識語彙となります。
あとで詳しくお話しますが、英単語を認識語彙から運用語彙にしていくためには、その英単語をどんな文脈でどんな単語と併用するべきかを知っておかないといけません。
そのため、英単語集だけでは残念ながら上記の部分を補うことができないのです。
「英単語集には例文が載ってあるのでそれを覚えれば英単語を使えるようになるのでは?」と思う方もいらっしゃるかもしれません。
しかし、多くの英単語集が載せている英単語1つあたりの例文の数は少なすぎます。
英単語を運用語彙にしていきたいのであれば、その英単語を数十例文の中でどのように使われているかを見ていかないといけません。
だから英単語集だけでは運用語彙に変化させることができないのです。
英単語集を使った見たこのある単語の増やし方
それでは英単語集を使っての学習法とコツについて解説します。
まずここで皆さんに朗報です。
英単語集での学習においては、単語は暗記しなくていいです。
「えっそうなの!?」と思われた方もたくさんいらっしゃると思います。ですが、英単語集に書かれてある単語は一切暗記不要です。
暗記をするのは実際に英文を読む中で行っていきます。
ではどうするのかと言うと、以下の通りです。
- 最初のページから各英単語を1単語ずつ見て、意味も確認しながら2,3回音読する
- 音読したら次の英単語を見て2,3回音読する
- 最後のページまで行ったら1に戻ってもう一度1単語ずつ音読する
もう少し詳しく説明しますね。
まずは各英単語とその意味を同時に確認してください。そしてその英単語を2,3回音読します。
このとき、発音記号も読める人はそこもチェックして正しい発音で練習しましょう。もし発音記号を読めない方は、多くの英単語集は付属のCDなどがついていると思いますのでそこで発音チェックしてください。
そして英単語を見ながら2,3回音読したら、次の単語にさっさと進んで同じように音読してください。
これをページ最後までずっと続けます。
一通り単語集に書かれている英単語をすべて音読したら、また最初に戻って同じように英単語と和訳をチェックしながら2,3回音読してきます。
このとき、音読した英単語の8,9割は忘れていると思います。
ただ、それでも全然構いません。
前にも書いた通り、英単語集を使う目的は見たことがある単語を増やすことです。
そのため、一応英単語の和訳も確認しながら音読をしますが、それだけではほぼ確実に単語の意味を忘れます。
ただ、これを3,4回繰り返しているとその単語集に載っている英単語を見慣れてきます。
ここまできたら、次のステップである実際に英文を読む段階に行っても大丈夫です。
ちなみに英単語集を何往復すればよいのかということですが、3,4回で大丈夫です。
英単語集を使った勉強法はなるべく最小限にし、さっさと次のステップに行ってしまいましょう。
2.実際の英文を読む中で英単語集の中で見たことのある英単語を認識語彙に変える
ここからは英単語集は使いません。実際の英文を読んでいく中で、見たことがある英単語を認識語彙に変えて暗記していきましょう。
読む本ですが、最初はペンギンリーダーズなどがオススメです。レベル別に分かれており、初級レベルから上級レベルまで多岐に分かれています。
ちなみに私はハリーポッターシリーズが好きなのでそれを読んでいました。ただ、英文レベルは上級者向きなので、文法を大学受験レベルまで勉強してから取り組んだほうが良いです。
次に、好きな本を用意したらそれを最初から最後まで読んでいきます。
そして読んでいる途中でわからない英単語にたくさん出会うと思います。恐らく初めのうちは、一文読む中でわからない英単語に1,2語出会うくらいの頻度でしょう。
このとき、わからない単語は片っ端から英和辞書で意味を調べてください。
多くの方は英文を読んでいく中で意味がわからない英単語に出会った時、前後の文脈からその英単語の意味を推測しようとします。
ただ、ほとんどの場合(特に最初のうちは)これができないんです。
例えば、以下の英文を読んでいるとしましょう。
We should objectively evaluate the performance of the employee.
ここで objectively という英単語の意味がわからないとします。
この英単語を前後の文脈からどのような意味かを判断するのは、正直キツイと思います。
ましてや1文の中でわからない英単語が2,3語出てきたときは、もうその英文が何を言っているのか検討もつかないことでしょう。
なので、巷でよく言われているような「わからない英単語は辞書は使わず、前後の文脈から推測してください」というのははっきり言って無理です。
ある程度英語が分かる上級者であれば推測はできるかもしれませんが、英語初心者の方は推測はせず、英和辞書で確認して確実に意味を理解していきましょう。
ちなみに、先程のobjectivelyの意味は「客観的に」です。上記の英文の意味は以下の通りです。
We should objectively evaluate the performance of the employee.
私たちは客観的にその従業員のパフォーマンスを評価するべきだ。
このようにして、わからない英単語に出会ったら面倒臭がらずに片っ端から全部英和辞書で調べてください。
そして辞書を引いて英単語の意味がわかったら、「もう絶対に忘れないぞ!」という気持ちでなるべくその場で覚えるように頑張ってください。
ちなみにこの毎回辞書を引いて英文を読み進めるというやり方。想像できると思いますが、かなり時間がかかります。。。
例えば小説を読むときは、1ページ読むだけでも30分〜1時間かかることもあるでしょう。私自身も最初はもちろんそうでした。
ただ、それでいいんです。
これが英単語の効率よく暗記するためのコツであり、王道的な学習法です。
「意味がわからない英単語をもう3回も辞書で引いてるが、また別の文脈の中でその英単語を見つけるとまた意味を忘れてます」という悩みもよくいただきます。
ただ、3回は普通です。私は暗記力は良い方ではないので、同じ単語を10回以上辞書で調べていたこともありました(笑)。
ですが、何回も引けば引くほどその英単語の持つ語感というものがだんだんと磨かれていきます。
そしてゆくゆくは、その英単語に出会った時に日本語に訳さなくとも理解ができる、いわゆる「英語を英語のままで理解する」という感覚になっていきます。
これは結構自然にできるようになっていきます。
例えばわかりやすく言うと、appleです。
これはほぼ全員の方が意味を知っていると思います。「りんご」ですね。
ほとんどの方がappleと聞いたら、丸くて赤く、甘い果物を想像できると思います。これが英語を英語のまま理解するということです。
一方、先ほど出てきたobjectivelyはどうでしょうか?
最初は意味がわからないので英和辞書で調べますよね。そして「客観的に」という意味であるということを知ります。
そしてこの英単語をさまざまな文脈で見ていく中で、毎回これに会うたびに「あ、objectiveは客観的にという意味だ」となります。
つまり、最初の段階は以下のようなプロセスを経て英単語の意味を理解してきます。
英語 → 日本語 → イメージ
例えば日本語で「客観的に」と言われたらなんとなくどういう意味かはイメージができると思います。
「自分の意見じゃなく第3者ことを指す感じ」
「主観じゃなくて公平に見る感じ」
人によって違いますが、上記のようなぼやっとしたイメージで「客観的に」という日本語を理解しています。
そしてこれが英語となると、まずはobjectivelyという単語を日本語の「客観的に」に変換します。そしてこれを日本語からイメージをつかみ、理解します。
最初はこんな感じのプロセスです。
そして、objectivelyという英単語を様々な文脈で見慣れていくと、だんだんと「客観的に」と訳さなくともイメージでそのまま理解できるようになっていきます。
こんな感じです。
英語 → イメージ
こうなってくれば、objectivelyという英単語をネイティブと同じようにさっと意味が取れるようになっていきます。
このようにして、見たことがある英単語を認識語彙にしていきましょう。
3.さまざまな文脈で同じ英単語に出会い、コロケーション力を身につける
前述の通り、同じ英単語にいろいろな文脈の中で出会い、意味がわからなければ英和辞書を調べていくなかでその英単語の意味をだんだんと暗記できるようになります。
そして、初めはその英単語の日本語で理解してイメージで捉えるという順番だったのが、だんだんと英単語を見た瞬間にその単語をイメージでつかむことができるようになっていきます。
このようにして英単語を暗記していきますが、これはまだ認識語彙が増えている段階です。
つまり、英単語の意味は分かるがまだ自分では使えない単語という意味です。
そしてこれを段々と運用語彙に変換していくことができれば、スピーキングとライティング力が上がっていきます。
このプロセスは実は、私たちが日本語を覚える順番と一緒なんですね。
赤ちゃんはまず大量の日本語を脳にインプットしていきます。そしていろいろな文脈で同じ単語に触れることで、段々とその意味がわかってきます。
そして成長するにつれて、その聞いて覚えた単語を今度は自分でも使えるようになっていくのです。
英単語の暗記も、要はこれと同じようにしていく必要があります。
その時に意識してほしいものに、コロケーションというものがあります。
コロケーションとは相性が良い単語のつながりを指します。
例えば「車を運転する」や「ボートを漕ぐ」といった表現は自然な日本語です。ただ、「車を漕ぐ」とは言いませんよね。
コロケーションとはこのように、自然に聞こえる単語のかたまりを意味します。
実は、わたしたちは言葉を話す際、文法を意識しながら話すのではなくコロケーションごとに単語を使って文章を作っています。
これは日本語でも英語でも同じです。
このコロケーション力が単語を運用語彙として使うために必要なのです。
そのため、さまざまな文脈で同じ英単語に出会っていくと、段々とその英単語との相性がよい言葉がわかってきます。
そしてコロケーションは動詞+名詞、形容詞+名詞、副詞+形容詞、動詞+前置詞などいろいろな品詞の組み合わせで成り立っています。
例えば「計画」を表すplanを例に取ってみます。
多くの英文を読んでいく中でplanという言葉にたくさん出会いますが、そこでplanがいろいろな種類の品詞とセットで登場することに気づくかと思います。
例えばmake a plan「計画を立てる」は動詞+名詞です。これは他にもcancel a plan「計画を中止する」やput off a plan「計画を延期する」といったコロケーションがあります。
また、a great planは形容詞+名詞です。他にもa terrible plan「ひどい計画」やa shocking plan「ショッキングな計画」などたくさんあります。
以下に品詞の組み合わせ別にコロケーションの例をいくつか紹介します。
品詞の組み合わせ別コロケーション例
・動詞+名詞
・build a plan 計画を立てる
・make money お金を稼ぐ
・have a dream 夢を持つ
・形容詞+名詞
・a happy man 幸せな男
・large population 多い人口
・growing income 増加している所得
・副詞+形容詞
・very happy とても幸せな
・awfully tired ひどく疲れた
・miraculously cured 奇跡的に回復した
・動詞+前置詞
・talk to 〜と話す
・listen to 〜を聞く
・look at 〜を見る
このように、コロケーションはさまざまな品詞と組み合わさって構成されます。
4.同じ英単語に出会う中で運用語彙を増やしていく
上記で説明したように、英文を読んでいく中で品詞の組み合わせごとにコロケーションを意識していきます。
例えば先程のplanもそうですが、planという英単語にたくさん出会っていくと、だんだんとコロケーションがわかってきます。
そしてそれがある程度の段階までいくと、ネイティブと話すときに何回も見てきたコロケーションをスラッと言えるようになってきます。
ここまできて初めて、認識語彙を運用語彙に変化できたことになります。
このようなプロセスを踏むことで自分が使える英単語が増えていきます。
意識的に運用語彙を使ってみましょう
英文の中で覚えた英単語をたちを意識的に使ってみるのも、運用語彙力をより効果的に上げていくためのコツです。
例えば先ほどのplanを例に出してみます。
大量の英文を読んでいく中でmake a planというフレーズに出会っていると、だんだんと「あ、この英単語の組み合わせはよく見たことあるからこれはコロケーションだな」と気付けるようになっていきます。
その段階に来たら、実際にそのコロケーションを使う練習をしてみましょう。
make a planを使って英文を作ってみます。
「私は明日計画を立てるつもりだ」
I will make a plan tomorrow.
「彼はまだ計画を立てていない」
He hasn’t made a plan yet.
このように、独り言を話すみたいに自分でどんどん英文を作ってみましょう。
こうすることで、その英単語をだんだんと使い慣れていきます。そして最終的にはネイティブのようなスピードで英単語を口から瞬間的に出すことが可能です。
ここまできたら、もうリアル英会話では問題なくその英単語を使いこなすことができていることでしょう。
こういったことを意識して、英文をどんどん作っていくなかで運用語彙力をアップしていきましょう。
5.場面に適した英単語を使いこなせるようにしていく
認識語彙が増え、コロケーションを意識していく中で運用語彙の数がだんだんと増えてきたら、今度は徐々にその単語を使うのに適した場面というものがわかってきます。
どの言語もそうですが、ある特定の場面で使われる言葉があります。
カテゴリー別にそれぞれ解説していきますね。
フォーマル度の違い
友だち同士で使われるスラングや若者言葉といったくだけた英単語もあれば、ニュースやフォーマルな場所などで使われる堅い英単語というものもあります。
また、主に文章の中で使われる書き言葉であったり、医療業界やIT業界などある特定の業界内で使われる専門英単語といったものも存在します。
ポジティブ、ネガティブな英単語
他にも、ポジティブなニュアンスを含む英単語や、反対にネガティブな意味を含む英単語も存在します。
例えばforeigner「外国人」という言葉がありますが、これはネガティブな意味を含んだ差別用語ですのであまり使わないほうが良いです。
一方ポジティブな英単語にはcarefree「気楽な、気ままな」といった言葉があります。こういったポジティブな言葉は相手を褒める場合などに使われます。
余談ですが、carefreeと似たような意味でcareless「不注意な」という英単語があります。
これは場合によってはネガティブに聞こえてしまいますので、使う際には注意が必要です。
国別、地域別の英単語
英語という言語は、国や地域によって使われる英単語がかなり違います。例えば代表的な例でいうとアメリカ英語とイギリス英語でしょう。
英単語の違いをいくつか例にだしますね。
アメリカ イギリス
地下鉄 subway underground / tube
一階 first floor ground floor
ポテト french fries chips
エレベーター elavator lift
高速道路 free way motor way
ガソリン gas / gasoline petrol
駐車場 parking lot car park
このように、アメリカとイギリスで使われる言葉は英語でも、英単語がかなり違うことがわかります。
さらに、同じ国でも地域によって英単語が異なる場合がよくあります。
これは日本語でもそうですよね。例えば標準語や関西弁、京都弁、名古屋弁、沖縄弁、北海道弁など様々な方言が存在します。
同様に英語でもこういった方言というものが存在します。
私はイギリスのノッティンガムという場所に4年間住んでいたことがありますが、日本の学校で習った英単語と全く違う英単語を使っていることにとてもビックリしたことを覚えています。
例えばこんな感じです。
Did you have a go at it?
これを初めて聞いた時、「ん?どこかに行ったと聞かれている?」とかなり混乱しました。
これを標準英語に直すとこんな感じです。
Did you try it?
「あなたはそれを試しましたか?」
標準英語だとすんなりと意味が入ってくると思います。
このように、国や地域によって使われる単語がかなり異なってきます。
そのため、どこの国または地域で英語を使うかによっては、英単語を使い分けられるようになると英語上級者です。
ただ、これはかなり練習が必要です。
なので私たち日本人が英語を話すときは、どの国や地域の人たちにも分かるような標準英語を目指したほうが良いです。
覚える単語も比較的簡単ですし、なによりも口からそれらの英単語を出しやすいです。
以上が英単語の最も効果的な学習法であり、効率の良い暗記法です。
上記で説明した、プロの同時通訳者が使っている英単語の覚え方のコツをぜひあなたの学習に取り入れてみてください。
それでは次のセクションから、中学生に特化した英単語の暗記法を教えていきます。
英単語の覚え方:中学生の英単語暗記法
中学生の場合は大人と違って若者言葉や若者が使うスラングといった表現を使うように思われると思います。
ただ、基本となる英単語はどの世代にも使われますし、またどこの国でも使われています。
例えば分かりやすい例だと go です。これは大人だけでなく中学生の人たちも使いますし、さらに3,4歳くらいの子供でも使います。
そのため、中学生であれば今後英語を自由自在に使いこなせるようになるために基礎英単語をひたすら学習していくようにしましょう。
それでは、中学生向けの英単語暗記法について解説していきます。
英単語の効果的な覚え方は上記ですでに解説したとおりです。もう一度おさらいしましょう。
- 英単語集を使って見たことのある単語を増やす
- 実際の英文を読む中で英単語集の中で見たことのある英単語を認識語彙に変える
- さまざまな文脈で同じ英単語に出会い、コロケーション力を身につける
- 同じ英単語に出会う中で運用語彙を増やしていく
- 場面に適した英単語を使いこなせるようにしていく
このようなプロセスで学習していきます。
ただ、中学生に特化した内容で今回はお話を進めていきますので、もう一度1から順番に説明をし直していきます。
1.英単語集を使って見たことのある単語を増やす
まず1の英単語集ですが、こちらはオススメの単語集がありますので下で詳しく解説していきますね。
2.実際の英文を読む中で英単語集の中で見たことのある英単語を認識語彙に変える
こちらですが、中学生にオススメの洋書をご紹介します。それは、ペンギンリーダーズシリーズです。
こちらはレベル別に分かれているので、簡単な本から徐々に英文を読むことに慣れていくことができます。
レベル1などは使われている英単語もかなり簡単なものに限られているので、初心者の方でも読みやすいでしょう。そのため、英単語の暗記も容易です。
3.さまざまな文脈で同じ英単語に出会い、コロケーション力を身につける
たくさんの本を読む中で、数多くのコロケーションに出会いましょう。特にペンギンリーダーズシリーズではかなり簡単な単語がいろいろな文脈で使われているので、コロケーションの勉強になります。
また、ここでオススメしたいもう1つの勉強法が音読です。
ペンギンリーダーズのレベル1はかなり簡単な英語ですので、私たち日本人が英語を話したり書いたりするときの参考になります。
そのため、音読をすることで英単語の暗記をしていきましょう。
また、音読をするときはなるべく速く音読するように心がけてください。ゆっくり読んでいると、スピーキングにおいての英語を話すスピードを上げることができないからです。
リアルの英会話において重要なのは、英語を正確に話すことよりもスピーディーに英文を作る能力の方が非常に大切です。
例えばあなたがネイティブと1対1で話しているとしましょう。そして以下の日本語が頭の中で思いつき、それを英語で表現したいとします。
「今日寝坊したから電車に乗り遅れそうだったんだけど、なんとか間に合ったよ」
これを英語で言うとこんな感じです。
I overslept today so I almost missed the train, but I made it.
最初のうちは上記の長い英文を瞬間的に口からスパッと出すことは難しいです。
そのため、頭の中では「寝坊はoversleepだからこれを過去形にするとoversleptで、そのあとは〜」みたいな感じで文法を必死に考えてしまいます。
その結果、かなりゆっくりなスピードで英語を話すことになるんですね。
ですが、1対1の会話の場合はネイティブは辛抱強く待って聞いてくれます(短気なネイティブは向こうからどんどんしゃべってきますが)。
それで一応会話は成立するんですね。
ただ、これが大人数のネイティブ対自分となるとどうでしょう?今度はネイティブ同士でどんどんと英語を話してしまうので、文法を頭の中で考えていると自分はどんどん彼らの会話に置いていかれます。
これだとまともにネイティブと対等に英語を話すことができないですよね。
一方、文法はところどころ間違いがあるけど英語を話すスピードが速い人はどうでしょう?
この場合、ネイティブに何かを聞かれたとしてもスムーズに自分の意見をパッパッと言うことができるため、会話が成立します。
そして、ネイティブ同士の会話についていけないということもないでしょう。
また、仮に文法が間違っていたとしても、前後の文脈でネイティブは理解してくれることも多いです。
こういったことが理由ですので、音読をするときはなるべく速く音読をするように心がけましょう。
4.同じ英単語に出会う中で運用語彙を増やしていく
大量の本を読み進めてかつ音読をする中で、だんだんと運用語彙に変化させていくことができます。
そして、どのシチュエーションでどんな英単語を使ったらよいかがだんだんと分かってきます。
そこまできたら、本当の意味で英単語を暗記したということになります。
そして英単語をもっと使えるレベルで覚えていくためにやってもらいたい学習法があります。
それが、独り言を英語で話すことです。
例えば洋書を読んでいる中で make a planというコロケーションを覚えたとしましょう。
そしたら今度はそれを自分の文脈に当てはめて使ってみてください。
make a plan という英単語を使いさえすれば何でもよいので、5例文ほど作ってみましょう。
私は東京に行く計画を立てた。
・I made a plan to go to Tokyo.
私は明日計画を立てるつもりだ。
・I will make a plan tomorrow.
それについての計画は立てた?
・Did you make a plan for that?
私は自分の仕事に対する計画を立てなかった。
・I didn’t make a plan for my work.
私は家を建てる計画を立てた。
・I made a plan to build a house.
このように、いろいろな文脈でmake a planを使ってみてください。そうすると段々とこのコロケーションが口に慣れていきますので、段々と速くこのフレーズを口から出せるようになっていきます。
5.場面に適した英単語を使いこなせるようにしていく
中学生の段階ではここまで勉強することは必要ないかもしれませんが、将来英語をマスターしたい人はぜひここも勉強しておきましょう。
前述の通り、英単語はそれぞれニュアンスを含んでおり、様々な文脈で適切に使われます。
そのため、どの英単語がどんな場面で使われるのが適しているのかを判断できるようになりましょう。
これに関しては前述の1〜4までをしっかりとやっていればできてくるはずです。
英単語の覚え方:中学生におすすめの英語単語集
それでは、私自身も購入した英単語集の中でおすすめものを紹介していきます。
ターゲット英単語1900です。
こちらに関しては以下のページで詳しく解説してありますので、興味のある方はぜひご覧になってみてください。
(ここにリンク)
英単語の覚え方:中学生の英単語の学習の注意点
英単語を暗記する際の注意事項について書いていきます。
学校や塾でも教わるやり方は、実は結構英単語を覚える際に効率が悪い場合が多いです。
そのため、以下の項目をチェックしてあなたもこのような暗記の学習をやってないか見てみてください。
あまり効果が出ない学習法
1.ノートやフラッシュカードに英単語をキレイにまとめる
これは多くの方がやっている暗記法かと思います。
私自身、電車の中やカフェなどで学生や社会人の方がノートやフラッシュカードに英単語をまとめ、それを使って暗記作業をしているという光景をよく見ます。
またノートやカードに書いてる内容ですが、日本語と英語だけではなく、発音記号や品詞、類義語、対義語、例文などをびっしりと書いてる人もいます。
ただ、これらは効果があまりないのでやめましょう。
皆さんの目的は、英単語を暗記することです。ノートにキレイに英単語を書くことではありません。
ノートにまとめるのってかなりの時間を消費します。
そのため、そのノートを作ってる時間を暗記作業にあてたほうがよっぽど効率が良いわけです。
多くの方はノートに英単語をきれに書いただけで、英単語を学習した気になってしまっているようです。
ですが覚えていませんよね?(笑)
なので英単語帳などは作らず、実際に英文を読んでいく中で意味がわからない英単語に出会った時に辞書で調べましょう。
そして、調べてるときに「この場で絶対暗記する」という気持ちで暗記してください。
とはいうものの、だいたい次の日になったら辞書で調べた単語の8割は忘れているものです(笑)。
ですがそれでも気にせず、新しい英文をどんどん読み進めていってください。
会話などでよく出てくる英単語は頻繁に出てきます。
そして、以前出会ったことがある同じ英単語の意味を辞書で再び調べる機会がたくさんあります。
忘れってしまったら何回でも英和辞書を引いて、英単語の暗記量を増やしていってください。
私自身、どうしても覚えられない単語は5回辞書を引いても覚えられなかった記憶があります。
それでも同じ英単語を辞書で引き続けていれば、自然と暗記していくものです。
これが単語帳を作るよりも効率的かつ効果的な英単語を暗記するコツです。
2.英単語単体で覚えない
英単語は単体で覚えないように気をつけましょう。
例えば、「役に立つ」という英単語にusefulがあります。この場合、以下の英文なら問題なく英文を作ることができるでしょう。
この辞書は役に立つ。
This dictionary is useful.
それでは、以下のような日本文はどうでしょうか?
この辞書は英作文をするのに役に立つ。
This dictionary is usefulまでは作ることができます。ただ、そのあとの「英作文をするのに」の部分の作り方で迷ってしまいます。
いろいろな文法で表現できますが、ここでは前置詞でつないでいくとしましょう。
ですが、前置詞といってもin, at, on, for, by, nearなど様々です。
どの前置詞を使うべきでしょうか?
答えはinかforです。
そのため、usefulという単語を最大限に使うためには、前置詞までをセットで覚えることが大切です。
つまりコロケーションです。
そうすると、上記の日本文を英訳することができます。
この辞書は英作文をするのに役に立つ。
This dictionary is useful for making English sentences.
今のusefulは形容詞の例です。
他にも名詞や動詞などもありますが、同じように前置詞やその他の要素とセットで覚えることが大切です。
例を出します。
例えば以下の日本文を英訳したいとします。
「彼はロケットを打ち上げることに成功した」
こちらですが、「成功した」はsucceedを使うとしましょう。ただ、「〜に成功した」と言いたい場合は何と表現すればよいでしょうか?
答えは、succeed inです。それでは英文を作ってみます。
He succeeded in launching a rocket.
このようになります。
ちなみに、多くの方はHe succeeded to launch a rocket.のように、succeededの後ろにto不定詞を使って表現しています。
ただこれは誤りですので注意してください。これもコロケーションで決まっているからです。
このように、英単語単体で暗記してしまうと会話などで自由自在に英単語を使いこなすことができまん。
また、リーディングやリスニングをするときでも英単語単体で覚えてしまうと、useful inと言われた時に「このinは何だ?」となってしまいます。
このようにならないためにも、英単語はある程度のかたまりで暗記するようにしていきましょう。
3.アクセントの位置に気をつける
英単語を学習していく際、アクセントは必ず調べるようにしてください。英語には各英単語にアクセントの場所が決まっており、ネイティブはアクセントを聞いて英語を理解することが多いからです。
また、アクセントの位置が違うことで品詞が変わる英単語も数多くあります。
例えば、increase「増加、増える」という単語がそれです。
アクセントを最初の i に置いて発音すると、これは名詞となり「増加」という意味になります。
一方、アクセントを rea の部分に置いて発音すると動詞となり「増える」という意味になります。
これは名前動後(めいぜんどうご)と言われています。
名詞の場合はアクセントが英単語の前に置かれ、動詞だと後ろに置かれることが多いからです。
他にも名前動後の英単語はいくつかあります。
Decrease 減少、減る
Content 内容、満足させる
Protest 抗議、講義する
Reserch 研究、研究する
Record 記録、記録する
このように、アクセントの位置で品詞が変化しますので、覚えておいてくださいね。
4.英単語の訳語ではなくイメージで覚える
英和辞書や単語帳を見てみると、各英単語に訳語が載っています。ただ、洋書を読んでいるとわかりますが、英和辞書に書かれてある英単語の訳語が必ずしも本の英文内にそのまま使えるとは限りません。
例えば、以下の英文を和訳してみてくだい。
This best-selling novel is an insightful adventure story.
Insightfulをどう訳すかが問題です。
それ以外の訳はこんな感じになります。
このベストセラー小説はinsightfulな冒険物語だ。
それではinsightfulを英和辞書で調べてみてみましょう。そうすると、「洞察に満ちた、卓越な」と書かれていることが多いです。
これを上の和訳に当てはめてみましょう。
このベストセラー小説は洞察に満ちた冒険物語だ。
このベストセラー小説は卓越した冒険物語だ。
どうでしょうか。「なんとなく言いたいことは分かる」という感じですが、どこかしっくりときません。
このように、英和辞書に書かれている訳語だけでは英文を完全に理解できないことが多いです。
ではどうすればよいかと言うと、insightfulが持つ言葉のイメージをつかむことが大切です。
これは一言で表せないのですが、この英単語が使われている文章にたくさん出会うことが大切です。
そうすると、自分なりのinsightfulに対するイメージをつかむことができるようになってきます。
ちなみにこの英単語に対する私の個人的なイメージでは、本質をしっかり見るような感じです。
こういったイメージを元に、前後の文脈から一番しっくり来る和訳をします。
そうすると、こんな感じです。
このベストセラー小説は本質を突いた冒険物語だ。
このようにして、単語はイメージでとらえられるように練習していってください。
英単語の覚え方:中学生が効率よく英単語を覚えるための学習習慣
これまで英単語の効率的な暗記法についてたくさん解説してきました。
ただ、これを聞いて「やることが多いな」「自分でも本当にできるのだろうか?」と不安に思った方も多いと思います。
なのでここでは、英単語の暗記を習慣化して続けていくためのちょっとしたコツをお話しますね。
1.達成しやすい目標を立てましょう
日常会話に必要な単語は、約2000〜3000単語と言われています。これを1週間や1ヶ月とかですべて完全に覚えるというのは正直不可能です。
ですので、毎日少しずつで良いのでコツコツと続けていくことが大切です。
そのためには毎日の目標や毎週、毎月の目標などを立てていきましょう。
ただ、目標はかなり努力しないと達成できないようなハードルの高いものは設定しないようにしてください。
ほぼ間違いなく挫折しますので(笑)。
そうではなく、少しの努力で達成できそうなものが良いです。
例えば、単語集を使って見たことがある単語を増やす段階であればこんな感じです。
毎日の目標 単語を20個見る
毎週の目標 単語を100個見る
毎月の目標 単語を500個見る
単語は見るだけなので、20個くらいであればだいたい5分〜10分くらいで終わります。
それを1週間続ければ140個になりますが、たまに急用や体調を崩したりなどでそんなに勉強ができない日もあるかと思います。
そのために、毎週の目標は140個ではなく100個にすると良いです。
毎月の目標も同じような考えです。毎日20個の単語を見ていると、1ヶ月が30日と仮定したら600個ですが、もうすこしハードルを下げて500個とします。
このようにして、毎日少しの努力だけで達成できるような目標設定をするようにしてください。
2.英単語を忘れても気にしないでください
上でも何度か書きましたが、単語を一発で覚えることは不可能です。
例えば洋書を読んでいて、初めて見る単語をすべて辞書を一回引いただけで全部暗記するなんてことは、よっぽど天才じゃないと難しいですよね。
1つの英単語につき、平均して3,4回は辞書を引くと思います。多いときは10回引いたりすることもあります。
そんなにたくさん引いていると、「自分はなんて記憶力が悪いんだ」「自分は馬鹿なんじゃないか」と自分を責めてしまうこともあるでしょう。
ですが、皆そんなもんなんで気にしないでください(笑)。
辞書を一回引いただけで単語を暗記することは無理と開き直り、何回でも辞書を引いていきましょう。
ですが、英単語を辞書で調べるときはもちろん覚えるつもりで英単語を見てくださいね。
こんな感じで、長い目で見て英単語暗記とは付き合っていきましょう。
3.感情と共に英単語を暗記をしましょう
本を読みながら単語暗記をする際、なるべくポジティブな気持ちで英文を読み進め、英和辞書で意味を調べるようにしてください。
人間が何かを覚える際、一番忘れにくい覚え方というのは感情が伴っているときです。
例えば本を読んでいる中で意味がわからない英単語に出会ったとしましょう。
その時は少しだけその英単語がどういう意味かを推測してみてください。
そしてその後に英和辞書で英単語を調べるのです。
もしそこで予測していた意味だった場合、「やった!合ってた」と少しうれしくなりますよね。
そのポジティブな感情が伴うと、その英単語を忘れにくくなります。
反対に、もし推測した意味と違かった場合でも「えー!そういう意味なんだ!」と驚くことが大切です。
その予想とは違ったときに起こる感情と一緒に英単語を暗記するのです。
このようにして、なるべく感情と一緒に英単語を覚えるというのはかなり効果的です。
4.体を動かしながら英単語を暗記してみましょう
3と似ていますが、体を動かしながら英単語を暗記することで記憶力が上がるというものがあります。
例えば単語集や本を、机に置いて椅子に座りながら読んで覚えるというのは昭和時代の学習法です。
そうではなく、立ちながらだったり、もしくは歩きながら本を読むことをオススメします。
ちなみに私は普段、仕事をするときはスタンディングデスクで仕事をしてます。
立ちながら仕事をすることで眠くなりにくいですし、かなり効率が上がっていると実感しています。
また、個人的には腰痛防止にもなっています(笑)。
意外と馬鹿にできない学習法なのでぜひ試してみてくださいね。
英単語の覚え方:中学生の英単語の学習方法まとめ
これまで、プロの同時通訳者も実践しているおすすめの英単語暗記法についいて解説してきました。
最後にもう一度、英単語を効率的に覚えていくための学習手順を載せますね。
- 英単語集を使って見たことのある単語を増やす
- 実際の英文を読む中で英単語集の中で見たことのある英単語を認識語彙に変える
- さまざまな文脈で同じ英単語に出会い、コロケーション力を身につける
- 同じ英単語に出会う中で運用語彙を増やしていく
- 場面に適した英単語を使いこなせるようにしていく
この順番で英単語を覚えていけば、ただ知っているだけではなくスピーキングやライティングの中で自分でもスラスラと使えるようになっていきます。
それが本当の単語力というものです。
ぜひこの段階に到達できるまで練習をしていってくださいね。
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