あなたがこれから英語を使う機会があるときは、恐らくネイティブだけではなくノンネイティブの人たちとの会話も頻繁に行うことでしょう。今や英語は世界共通語であり、英語を使う人の大半はノンネイティブであるという統計もでています。そのため、ノンネイティブと英語で話す機会は多いです。
私たち日本人は、ネイティブと英語で話すことを想定しています。そこで学習者が持つ多くの悩みは、「自分の言いたいことがスラスラと言えない」ということです。
これに関しては、ひたすら文法や語彙力を身につけ、例文暗記や音読をたくさんおこなうようにしましょう。こうして、自分の英語力を上げていけば問題ありません。練習すればするほど、ネイティブと対等に会話ができるようになっていくでしょう。
一方、ノンネイティブと英語で会話するときは別の問題が生じます。それは、自分の英語が相手に通じないということです。
ノンネイティブとの英語のやり取りで生じる問題
例えば、もしあなたの英語力が上級レベルで相手が中級レベルであれば、彼らはあなたの使った単語や文法、もしくは発音などを正確に聞き取ることができないかもしれません。そのため、彼らは「Can you say that again?」とあなたに聞いてきます。
多くの日本人は、このように聞き返されると「自分の英語が間違っているのかもしれない」と思います。確かに、自分の英語の誤りによって相手が理解できなかった可能性もあります。ただ、彼らの英語力不足で理解をしてもらえなかった可能性も大いにあります。
これについて下の動画で解説しています。
単語のアクセントを間違えると意味が理解しにくくなる
私がイギリスの大学で勉強をしていた頃、ある授業でイラン人が教壇に立って教えていました。彼はノンネイティブであり、英語は第2言語でした。英語はとても流暢で何を言いたいのかも簡単に理解をすることができましたが、あるとき彼らは単語のアクセントを間違いました。
capabilityと彼は言おうとしていたようですが、本来は「bi」の部分にアクセントを置くべきところ、彼は「ca」の部分にアクセントをおきました。そのため、ほとんどのネイティブの学生は彼が言ったcapabilityの発音を最初は理解できていないようでした。
もちろん、ノンネイティブである私たちも彼が発言した内容は分かりませんでした。そのあと何度か彼がcapabilityを言っていたので、私たちは前後の文脈から「彼はcapabilityといいたいのかもしれない」とだんだん分かってきました。
このように、ノンネイティブが話す英語では単語のアクセントを間違えるということがよく起こります。もちろん、これは私たちにも起こりえることです。アクセントの誤解によって、ノンネイティブだけではなくネイティブにも自分の発音が通じないことがあります。このようなことも原因で、ノンネイティブとのやり取りが困難になる場合もあります。
私たち日本人は自分の英語が通じなかった場合、「私の英語力がまだまだ足りないからだ」と自分を責めてしまいがちです。しかし、ノンネイティブとの会話では原因が彼らにあるという場合も十分ありえます。
もしノンネイティブとの会話で自分の英語が通じなかった場合、もう少しゆっくり話してみる、簡単な表現に変えてみる、または「for example」などといって具体例をあげてより詳しく説明するなどといった心構えが大切になります。