ここでは、米国New York Times紙の記事を題材に、英文読解の練習をしましょう。ジカ熱に関するニュース記事です。
問題1
引用元:
Zika Virus in Colombia Presents Complicated Choice About Abortion
New York Times
15 February, 2016
問題1は少し長めの文章となっています。どのような文の構成になっているか考えましょう。
まずは接続詞のwhenがありますので、whenの前後は文(主語+動詞)になっていることを確認してください。「Margaritaは妊娠6週目だった」という文と「彼女は症状を感じ始めた」という文です。
whenのうしろの文には関係代名詞のthat(この場合は省略も可能)も続いており、symptoms(症状)を詳しく説明しています。どのような症状かと言うと、「コロンビアのどの妊婦も怖がるようになってきた」症状ということです。
has come to dreadと現在完了形になっているのは、この記事が書かれた時点では、ジカ熱が流行しだしてまだあまり時間が経過していないという事情があるからです。「(最近になって)コロンビアのどの妊婦も怖がるようになってきた」というニュアンスを出すため、完了形が使われています。
また、ここでは2つ気をつけたい単語があります。まず、everyという単語です。日本語では「どの?も」と訳されることが多いので複数形と感じてしまいますが、everyは対象になっているそれぞれのものに焦点を当てている単語ですので、単数形として扱います。ですから、形容する名詞は必ず単数形にしなければなりませんし、呼応する動詞も三単元のsはつきません。
次にexpectingです。これは、pregnantの婉曲表現です。I’m expecting my second child. (2人目を妊娠中です)のように使われます。通常のexpectの意味だけしか知らないと混乱してしまいますので、この表現も頭に入れておいてください。
ここまでで、「コロンビアのどの妊婦のも怖がるようになってきた症状を感じ始めたとき、Margaritaは妊娠6週目だった」となります。dreadのうしろに、その症状の具体的な例が列挙されています。Just as she fearedのasは「?のとおり」という意味です。As you know(ご存知の通り)と同じ用法です。
問題1の例訳
問題2
問題2で注意しなければならないのは、接続詞のthatです。問題2にはthatが2回でてきますが、これらはいずれもknowsが導く接続詞です。24歳のBarriosさんが知っていることは、that以下に書いていあること2つということになります。問題2も1つの文章が長いので、文がどのように構成されているか注意して読んでください。
最初のthat節を見てください。まず、babies have been reportedまでですが、「何千人もの赤ちゃんが報告されている」という受動態になっています。次に、どのようなことが報告されているのかですが、born with abnormally small heads(異常なほど小さな頭で生まれてくる)ということです。あとに続くneighboring Brazilは、「隣国のブラジル」と訳しましょう。
2つ目のthat節はresearchers there say the virus is to blameとなっています。まずthereですが、この文ではブラジルにおけるジカ熱について言及しているわけですから、「ブラジルの」研究者と解釈するのが妥当です。
ブラジルの研究者は、the virus is to blameと言っているとのことですが、be to blameという表現はよく目にすると思います。「責めを負うべきである、責任がある」という意味で、言い換えればbe responsible forとなります。
直訳すれば、「ウイルス(ジカ熱)が責めを負うべきである」ということですが、要するに、ブラジルでの小頭症の赤ちゃんの出生は、ジカ熱が原因であると言っているのです。直訳してしまうとわかりにくくなってしまいますので、これまでの文脈をよく意識して解釈してください。
2つのthat節を整理すると、24歳のBarriosさんが知っていることは、①ブラジルで小頭症の赤ちゃんの出生が報告されていること、そして②その原因はジカ熱であること、の2つということがわかります。
問題2の例訳