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「文法なんて勉強しても話せるようにならない」
「ネイティブは文法なんて考えてない」
こんな言葉を聞いたことはありませんか?
実は、これこそが多くの日本人を英会話から遠ざけている危険な誤解なのです。
私は同時通訳者として活動していた経験がありますが、最も重視していたのは、実は文法力でした。
この記事では、なぜ「文法いらない」という誤解が生まれるのか、そして本当に英会話で使える文法とは何かをお伝えします。
「ネイティブは文法を意識せずに話している。だから文法なんて必要ない」
これは嘘です。
確かにネイティブスピーカーは文法を「意識」していません。しかし、それは幼少期から自然に文法のルールを習得しているからです。
彼らは意識していなくても、そのルールに従って話しています。
あなたも日本語を話すとき「これは第3文型だから…」と考えませんよね?
でも、あなたは日本語の文法をちゃんと使っています。
ネイティブが「意識していない」のは、文法が不要だからではなく、文法が無意識レベルで習得されているからなのです。
「子供は文法なんて勉強しなくても英語を話せるようになる。大人も同じでしょ?」
残念ながら、これも誤解です。
人間の脳には「言語形成期」があります。これは一般的に12〜13歳までと言われています。
この時期を過ぎた大人の脳は、子供のように「聞き流して覚える」ことは科学的に不可能です。
なので大人が英語をマスターする唯一の方法は、「日本語の脳を使って、英語を論理的に操作する」ことです。
そして、その「論理的な操作」に必要なのが、文法なのです。
ここで重要なポイントがあります。
多くの人が「文法いらない」と言うとき、彼らが思い浮かべているのは**「試験のための文法」**です。
こういう難しい用語を覚えることが「文法」だと思っている。
確かに、こういう分析用の文法知識は会話では使いません。
しかし、「話すための文法」は別物です。
それは、あなたの言いたいことを正しい語順で組み立てるためのルールであり、英会話の「設計図」なのです。
文法とは何か?一言で言えば、語順のルールです。
日本語と英語の最大の違いは、この「語順」にあります。
日本語では:
すべて通じます。
しかし英語では、語順が変わると意味が変わるか、通じなくなるのです。
この「正しい語順」を決めているのが、文法です。
文法なしで英語を話そうとすると、どうなるか?
単語をただ並べるだけになります。
これは「ブロークンイングリッシュ」と呼ばれます。
確かに、相手が文脈から推測してくれれば通じることもあります。
しかし、これでは:
という問題が発生します。
私が同時通訳者として活動していたとき、最も鍛えていたのは文法力でした。
なぜか?
同時通訳者は、どんな日本語が来ても瞬時に英語に変換できなければ仕事になりません。
そのとき頼りになるのは、「暗記したフレーズ」ではなく、「どんな文でも組み立てられる文法力」なのです。
文法は、パズルのパーツを組み立てるルールのようなもの。
ルールを知っていれば、新しいパーツが来ても組み立てられる。
ルールを知らなければ、同じパターンしか再現できない。
これが、同時通訳者が文法を最重視する理由です。
「でも、文法って難しそう…」
安心してください。
日常会話からビジネス英会話まで、必要な文法用語は約50個だけです。
私の英語習得メソッドである「TELM(Tai’s English Learning Method)」では、従来の複雑な文法用語を廃止しています。
| 従来の用語(廃止) | TELMの呼び方 |
|---|---|
| 動名詞 | 名詞のdoing形 |
| 現在分詞 | 形容詞のdoing形 |
| 過去分詞 | 形容詞のdone形 |
| to不定詞 | 名詞 / 形容詞 / 副詞のto do形 |
なぜこう呼び変えるのか?
それは、「その言葉が文のどこに置けるか」を明確にするためです。
TELMの最大の特徴は、「全ての文法は4つの品詞(名詞・動詞・形容詞・副詞)に分類できる」という考え方です。
各品詞は「置ける場所」が決まっています。
名詞が置ける場所:
形容詞が置ける場所:
副詞が置ける場所:
これを理解すれば、文法はパズル感覚で組み立てられるようになります。
「文法は大事だとわかった。でも、どうやって使えるようにするの?」
ここで重要なのは、「知っている」と「使える」は全く違うということです。
文法を「知識」として暗記しても、会話で瞬時に使えなければ意味がありません。
私が開発した「ISI(瞬間独り同時通訳)サイクル」は、文法を無意識レベルで使えるようにするトレーニング法です。
Step 1: 音読
正しい英文を声に出して読む。口の筋肉を英語の音に慣らす。
Step 2: 暗記
その英文を暗記する。使える表現のストックを増やす。
Step 3: 応用
暗記した文法パターンを使って、別の文を作る練習をする。
このサイクルを毎日繰り返すことで、文法が無意識レベルで使えるようになります。
これが、ネイティブと同じ「文法を意識せずに話す」状態です。
「文法いらない」は嘘です。
あなたが学校で習った文法は、無駄ではありません。
それを「分析用」から「会話用」に変換するだけで、あなたの英会話力は劇的に変わります。
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